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見習いドS彼氏
第6章 夜の散歩道
いよいよ留美の声色が怪しくなってきた時、智輝の方も思わず声を上げそうになってしまった。
慌てて寝返りを打つ振りをしてごまかし、留美にはバレずに済んだが。

そして留美が絶頂に達する声を上げた瞬間に智輝も布団が汚れることも厭わず、盛大に射精をした。
留美の中に精子を注ぎ込むことを夢想しながら、勢いよく吐き出してしまった。

一応手のひらに収めるように出したが、すぐには起き上がって洗いに行くことも出来ず、留美が寝息を立てるのを待って、ようやく始末を終えた。

その翌朝は互いに何事もなかったように起きて、朝ごはんを食べ、時間をずらして会社へと出社した。
留美は社内で誰からもからかいながら愛されるアイドル的存在の為、智輝と肩を並べて出社したというだけで要らぬ噂を立てられかねないからだ。
キスはおろか指の一本も触れ合っていないのに智輝はどこか後ろめたい気持ちにさせられた。
浮気と呼ぶにはあまりに潔白な夜であったが、それでも根が真面目な智輝にとっては反省点が多い夜であった。

「ごめん、お待たせ」

物思いに耽っていると暗闇から謝る声が聞こえた。

「ああ。ようやく来たのか」

智輝は落ち着き払った声でトレンチコートを包むように着込んだ奈緒に返事をした。
まだクローゼットからコートを引っ張り出す季節でもないが、奈緒はロングコートを身に纏わなくてはならない事情があった。
なぜならばコートの下は下着すら身に纏っていない全裸だったからだ。
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