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私は管理人
第8章 ホストの向井くん
「向井さん、あなたろくに食事もしていないんじゃない?」
吐瀉物はほとんど胃液だけでした。
「すいません…売り上げのためには
美味しくないお酒でも無理やり呑まないといけないんで…」
「そんなことだと思ったわ…
早くお布団に入りたいでしょうけど
その前にちょっとわたしの部屋に来てくれない?」
説教をされるとでも思ったのか
「僕、何かいけないことをしましたか?」と
体を小さくしてわたしの後についてきました。
「そんなんじゃないの…
お節介とは思ったけど、あなたのために朝ごはんを用意したわ
お腹に少しでも栄養のあるものを入れてからおやすみなさい」
テーブルの朝粥を目にした途端、
向井くんっら涙をポロポロこぼして泣きはじめたんです。
「まあ!どうしちゃったの?」
「田舎から出てきて友達もできずに
いつも独りぼっちだったから
管理人さんの優しさが嬉しくて…」
まあまあ!
そんなに感激してくれるとは思ってもみなかったわ。
わたしは泣きじゃくる彼の肩を抱いてやりました。
「管理人さん、ありがとう…」
向井くんは背を丸めて
わたしの胸に顔を埋めて泣き止もうとしません。
わたしは彼の頭を撫でてイイコイイコしてあげました。
次の瞬間、向井くんは脱力して膝から崩れ落ちてしまったのです。