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私は管理人
第8章 ホストの向井くん
『こうして寝顔を見ていると
本当にイケメンよねえ』
ホストなんかやめて
俳優になればいいのにとさえ思ってしまいます。
「あ、それは無理か…」
向井くんは北関東の出身なんでしょうけど
いまだに少し言葉が訛っていたんです。
それを思い出して
わたしは一人でクスクスと笑ってしまいました。
そんなに大きな笑い声じゃなかったと思うんですけど、わたしの笑い声で向井くんを起こしてしまいました。
「うわっ!僕、寝ちゃったんですね」
「あら、起こしちゃった?
ごめんなさいね」
「いえいえ、ご迷惑をおかけしました」
北関東訛りで謝る彼が可笑しくて
わたしは再びクスクスと笑ってしまいました。
彼は怪訝な表情をしながら
「すいません、トイレを借りてもいいですか?」と
タオルケットを投げ出して立ち上がりました。
「うわっ!」
てっきり着衣のままだと思っていたのでしょう
トランクス姿に気づくと慌てて再びタオルケットを被りました。
驚いたのはわたしも同じです。
向井くんったら朝勃ちというのでしょうか
ものの見事にトランクスの前にテントを張っていたんですもの。
「ごめんなさい、スーツがシワになってはいけないと思って脱がしちゃったの…」
そんなにやましい事はしていないのだけれど
わたしは何故だか赤面しちゃいました。