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淫夢鉄道の夜
第2章 ヤリサーのリーダーだった男
コップの酒が半分ほどになった頃、男が一人乗り込んできた。友樹と同じようにデイバックを背負い、手にはカメラを持っている。ウインドブレーカーを着てしっかり防風対策しているのも一緒だった。男は車内を何枚か撮ると、通路を友樹の方に歩んできた。
歳は同じくらい、20代後半と言ったところか。背の高い男だった。180センチくらいある。肌は浅黒く、堀の深いくっきりとした見栄えのいい顔立ちをしていた。
男は友樹の座るボックス席の横で立ち止まると、
「ご一緒させていただいても構いませんか」と声をかけてきた。
ガラガラの車内でわざわざ同席したいということは鉄オタ同志で情報交換をしたいということだろう。こうしたローカル線に乗車したときはよくあることだ。
「いいですよ」
友樹は快く了承した。
「ありがとう。では失礼して」
男は友樹の斜め前に腰を降ろすと、おいしそうですね、と言いながら自分のデイバッグをまさぐり友樹が飲んでいるものと同じものを取り出した。
「乙女川、ボクも大好きな酒です」
そう言うと男は、勢いよく蓋を開け、ゴクリゴクリと音を立てて呑み始めた。気持ちいいほど豪快な呑みっぷりだった。
「フー、うまい」愛嬌のある丸い目を友樹に向けてニヤリと笑う。「佐藤と言います。佐藤雅弘。よろしく」右手を差し出してきた。
「高倉友樹です。こちらこそよろしく」
友樹は、佐藤の手をやんわりと握った。
歳は同じくらい、20代後半と言ったところか。背の高い男だった。180センチくらいある。肌は浅黒く、堀の深いくっきりとした見栄えのいい顔立ちをしていた。
男は友樹の座るボックス席の横で立ち止まると、
「ご一緒させていただいても構いませんか」と声をかけてきた。
ガラガラの車内でわざわざ同席したいということは鉄オタ同志で情報交換をしたいということだろう。こうしたローカル線に乗車したときはよくあることだ。
「いいですよ」
友樹は快く了承した。
「ありがとう。では失礼して」
男は友樹の斜め前に腰を降ろすと、おいしそうですね、と言いながら自分のデイバッグをまさぐり友樹が飲んでいるものと同じものを取り出した。
「乙女川、ボクも大好きな酒です」
そう言うと男は、勢いよく蓋を開け、ゴクリゴクリと音を立てて呑み始めた。気持ちいいほど豪快な呑みっぷりだった。
「フー、うまい」愛嬌のある丸い目を友樹に向けてニヤリと笑う。「佐藤と言います。佐藤雅弘。よろしく」右手を差し出してきた。
「高倉友樹です。こちらこそよろしく」
友樹は、佐藤の手をやんわりと握った。