この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
淫夢鉄道の夜
第2章 ヤリサーのリーダーだった男
「いよいよですね。車星山に入ります」
4つ目の駅を過ぎると、いきなり見事な絶景が現れた。断崖絶壁から鮮やかな紅葉に彩られた山々が見える。
「おお」
二人は歓声を上げながらカメラを構え、シャッターを押した。
「いい感じで窓枠が入りました」
「こっちもですよ」
互いにカメラのモニターを見せ合う。
佐藤は面白い男だった。友樹と同じように鉄道の車輌に実際に乗ることを楽しむ「乗り鉄」であり、鉄道の写真を撮ることを楽しむ「撮り鉄」だった。実際、日本全国に行っているらしく、旅のエピソードを失敗談なども交えながら面白おかしく話してくれた。酒も強く、友樹が1杯目を飲み終わらないうちにもう3杯目を空けている。しかも全然酔った様子がない。
「高倉さん、外に出て撮りましょうよ」
停車時間の長い駅で佐藤が声を掛けてくれた。高倉さん、ここに立ってください、と車体と風景が上手に入りそうな場所に友樹を導き、友樹のカメラで撮ってくれる。確認すると見事な構図になっていた。カメラの腕前もなかなかなものだった。
お返しにと友樹も佐藤を撮ってあげると、早速写真を確認して、「高倉さん、うまいですね。最高ですよ」佐藤は、堀の深い顔を少年のように綻ばせた。
友樹は、佐藤と知り合えてよかったと思った。一人旅ではこんなことはできない。心の中で声をかけてくれた佐藤にありがとうと感謝した。
4つ目の駅を過ぎると、いきなり見事な絶景が現れた。断崖絶壁から鮮やかな紅葉に彩られた山々が見える。
「おお」
二人は歓声を上げながらカメラを構え、シャッターを押した。
「いい感じで窓枠が入りました」
「こっちもですよ」
互いにカメラのモニターを見せ合う。
佐藤は面白い男だった。友樹と同じように鉄道の車輌に実際に乗ることを楽しむ「乗り鉄」であり、鉄道の写真を撮ることを楽しむ「撮り鉄」だった。実際、日本全国に行っているらしく、旅のエピソードを失敗談なども交えながら面白おかしく話してくれた。酒も強く、友樹が1杯目を飲み終わらないうちにもう3杯目を空けている。しかも全然酔った様子がない。
「高倉さん、外に出て撮りましょうよ」
停車時間の長い駅で佐藤が声を掛けてくれた。高倉さん、ここに立ってください、と車体と風景が上手に入りそうな場所に友樹を導き、友樹のカメラで撮ってくれる。確認すると見事な構図になっていた。カメラの腕前もなかなかなものだった。
お返しにと友樹も佐藤を撮ってあげると、早速写真を確認して、「高倉さん、うまいですね。最高ですよ」佐藤は、堀の深い顔を少年のように綻ばせた。
友樹は、佐藤と知り合えてよかったと思った。一人旅ではこんなことはできない。心の中で声をかけてくれた佐藤にありがとうと感謝した。