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淫夢鉄道の夜
第1章 プロローグ
僕はベッドの上に起き上がっていた。隣を見ると、佳純が穏やかな顔で、スヤスヤと寝息を立てている。

「夢か……」

びっしょり汗をかいていた。股間に手をやると、夢の中と同じようにカチカチに硬くなっていた。寝ている間に吐き出したのだろう、先走りの液で下着がヌルヌルに濡れている。

これで何回目だろう、佳純が犯される夢を見るのは。いつも決まって結婚式の場面だ。

だいたいバージンロードを新郎新婦が並んで一緒に入場することなんてないんだから、その時点で夢だと気づけばいいのに、夢の中の僕はいつも気づいてくれない。そして、佳純に肉棒が突き立てられたところで夢から覚める。

佳純を犯す相手は、今日のように神父のときもあれば、モーニングコートを着た男が先に待っていて襲い掛かってくるときもあるが、決まって藤井だった。藤井は卒論を一緒に書いた親友だ。ちゃらいところはあるが優しい男で、あんなことをすることは絶対ないのに。学生時代に一緒に行った温泉で、あの股間を見せられてからひっそりと持っている男としてのコンプレックスが、相手を藤井にしてしまうんだろうな、きっと。
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