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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷

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目が覚めた俺が見たのは一面の白、いや違うなどこかの天井なのか? 自分がどうしたのか分からなく曖昧、だが次に来たものは……。
「くっ、あ あ あ ……」
全身が熱く搔きむしりたいほどの激痛! なんだこれは!?
「はぁはぁ……うっぐっっ」
言葉が出ない! 特に脇腹から背中にかけて転がり回りたいほどの痛みが俺を襲う、そうだ……俺はあいつらにやられたんだ、俺はまんまと罠に掛かりこのザマか。…………ふざけんな!
最後に見たあいつらの顔を思い出す含みにやけたあの顔、誘いを受けなかったツケがこれか? 訓練中なら死んでも構わんと言いたげなあの軽薄な表情……まるで俺の方が悪い、受けなかった俺に責任がある、そんな瞳をしていた。
「く……そ……」
激痛の中で俺がかろうじて出た言葉がこれ、あいつらへの恨みの言葉、あいつらへの憤怒の言葉、今俺の心は怒りただその一点! そんな中……。
「目が覚めましたか本郷さん! 先生本郷さんが! 鎮痛薬を早く!」
病室に入って来た看護婦が叫ぶ声、その後に沢山人が来て俺に処置を施す。俺の方は意識半分に聞き躰になにかされながら少し和らいだ痛みと共に眠気が襲う、心に怒りというしこりを残して。

