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契約的束縛・過ぎ来し方(すぎこしかた)のメモリー
第4章 メモリー本郷

こんな管理された室内で危険なことなどそうそうあるわけがない。更に言えば会場としているある大物の別荘にも独自ボディーガードが居り、逆に俺はそいつらに見張られている立場なんだよ。そんな理由で二時間以上俺は腕を後ろに組み不動の構えのまま微動だにせず、全く面倒もいいところだ。
会合が終わったところで素直に帰ってくれる対象者ではなく……俺的にはこっちの方が悩みの種なんだ。次に向かうのはいわゆる高級クラブと言われる場所、酒と女に戯れるのをボディーガードである俺は後ろで見張ってなきゃならん。
連れ立った相手を少々不味い話のようなので他を近づけさせず、店から回される女の簡単なボディーチェック、飲食物の点検などやることは多岐になるのは一般も入る店なのだから致し方ない。
それよりも困るのは……。
「ねえぇ今日は私にしない?」
「くすっ、もちろん私よねボディーガードさん」
「…………」
来るたびに始まる商売女たちの俺への誘惑、他の連中に聞いたがここまで言い寄られることは無いと言っていた、だというのに俺のなにを気に入ったのか毎回こうしてモーションを掛けられるんだよ。とりあえず立場上話すわけにもいかず沈黙しているのだが……。

