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満ちる満ちる満ち足りる
第3章 刺激
「吉村さん、この間のカフェの記事良かったよ。」

「あ、主任ありがとうございます。」


この間恭二と行ったカフェのときのやつだ
恋のちからで、良い記事書けたのかも
今度お礼言わなくちゃなあ
幸子はパソコンを叩きながらカレンダーを見る
次の休みにまた会えたら良いなあ


休憩室の椅子に座ってコーヒーを飲む
14時。仕事が一息ついて落ち着く時間
幸子の職場は高層ビルの12階
見晴らしが良い
このごろ恭二とのデートや彰とのご無沙汰ぶりのエクササイズ。幸子は久々に潤ってきた日々にご機嫌だった。

「今日も晴れたなあ。」
つい独り言を言ってしまう
恥ずかしくなって周りを見回すと
近くに座っている男性と目が合う

「岩切さん?ですよね。」

向こうから話しかけてきた
40代前半くらいかな。向こうもコーヒーを飲んでいる。
同じ部署ではなさそうだ

「前イベントで一緒でしたよね?」

でしたっけ?頭を駆け巡らせるが、全く思い出せない。しかも前の名字で呼ばれるってことは昔の知り合いかな。まあいいか

「今は吉村を名乗ってます。。」

「吉村、、ああ!カフェの記事読みましたよ。僕のブースでも評判です。そっか。名字変わってたんですね。知らなかった。」

「とんでもないです。あれはなんか、流れで書いたもので、、」

「流れでかけるのか。すごいなあ。あ、僕今度居酒屋の取材なんですけど、ご一緒しません?」

「お役に立てるかどうか、、」

「いやいや、かしこまらないでください。一度吉村さんと話をしてみたかったんです。」


誠実そうな態度に悪い気はしなかった。
ネームホルダーに「三原」と書いてある。
なんとなく誰だか分かってきた。幸子の部署の女子がたまに噂している人だ。幸子にはミステリアスな印象だった。

「是非、ご一緒させてください。」

興味本位だった。他部署の人と働くのも刺激になりそうだ。活動の幅も広がる
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