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満ちる満ちる満ち足りる
第3章 刺激
「あんたの週末、あたしよりお盛んじゃない!二人とバカンスだったのね。やるじゃない。」

終業後、幸子は真由と待ち合わせて蕎麦を食べている。

「いやいや、恭ちゃんとはキスだけだったし。」

「なんで帰ったのよぉ。ちゃんと朝続きをすれば良かったものを。あ、続きは彰くんとしたのか」

「彰とは、、何て言うかノリでさ。」

「拒まないってことは幸子も満更でもないようね。」

「拒めるわけないじゃん。まじでテクニシャンすぎた。」

「よかったわねぇ。きっとお肌とか細胞とか活性化されてるよ。」

「彰とそうなってもなあ。未来がない。」

「良いのよぉバカンスなんだし楽しめば。ちゃんと避妊してれば。」

「ゴムは彰のオススメのやつだとさ。」

彰が置いていった未使用のゴムを真由に見せる。

「あ~激薄のやつね。あたしも使ったことある。着けてないみたいよね。恭二君とも試してみたら?」

「それがあれ以来連絡取ってなくて。」

「当たり前よぉ。あんたが黙って帰るからでしょ。気にしてるかもよ彼。」

幸子はなんとなくその気になれなかった。
彰や今日職場で話しかけられた三原とのことで満たされてしまったのだ。

「幸子が動かないなら、あたしがもらおうかな恭ちゃん。」

幸子はそれでも良いと思える。
ふと窓に目をやると、三原が小さな女の子を連れて歩いていた。
奥さんらしき人も一緒だ。

「なあんだ。既婚者か。」  

幸子は少し落胆する

「かっこ良くない?あの人!」

目ざとい真由はもう、三原を見ていた。

「既婚者とか燃えるわよねぇ。」

「会社でもモテてるみたい。今度一緒に出張なの。」

「またバカンスなのねぇ。」

「いやいや仕事で行くんだから。」

「仕事ならごまかせるじゃない。ちゃんとゴムもっていきなさいよ。」

「分かっとる、、ああ違う違う。仕事だってば。」

真由は鞄から派手なパッケージのゴムを取り出した。

「これ、摩擦が良いわよ。あげる」

一体こんな派手なのどうやって手にいれるのだろう。ベテランは違うなあ。幸子はゴムを財布にしまった。

「御守りにする。ありがとう。」

「エクササイズ、健闘を祈る。」

「いや、仕事上手くいきますようによ。何気に出張初めてなのよ私。」

「カッコいい彼が付いてるから大丈夫よ。」

確かに三原の仕事ぶりは評判が良い。幸子は安堵していた。
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