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満ちる満ちる満ち足りる
第3章 刺激
「一軍だな今日。」

「たまたまでしょ。」


翌朝、彰の運転で駅へと向かう
一軍の下着を着けていることもたまたまなんかではない。
彰にはお見通しだ。まるで小姑だな

「あたしのために起きてくれてサンキュ。」

彰が頭をかく
眠そうだ

「あきちゃん、コーヒーでも飲む?」

彰を車で待たせて
幸子はコンビニでアイスコーヒーを二つ注文する。受け取って両手がふさがっていると、前から歩いてきた人が、ドアを押さえていてくれた

「ありがとうございます。あ、、」

恭二だった
普段着
今日は休みなのだろう

「さっちゃん。久しぶり。」

恭二はまっすぐ幸子を見ている

「久しぶり。」

幸子も恭二を見ている
恭二が二人分のコーヒーに目をやる

「今日も仕事なんだ?」

「うん。出張なの。」

「そっか。気をつけて。」

「うん。ありがと。」



幸子はもっと話をしたかったが上手く言葉が出てこなかった。車に乗り込むと彰がニヤニヤしている

「ったく朝から見せつけてくれんなあ。だから寝る部屋別って?分かりやすすぎ。」

「妬いた?」

「コンビニで見つめ合うとか小学生かよ。」 

「あきちゃんのおバカんん~♪」

幸子は明らかに上機嫌になる

「さて、行くか。遅れますよお姉様。」

彰が車を出す。
出張行く前に恭二見れてよかった。
幸子はぽーっと外を眺めていた。恭二は格別だった

「着いたよ。」

彰がスーツケースをトランクから出す

「ありがとね。行ってきます。」

彰に手をふる。
三原がホームで待っていた。

「カッコいいね。彼氏?」

「いや、あれはルームメートです。」

「へぇ~。今時の子は男女でシェアするのか。」 

子って。15歳くらいしか違わないはずだ。
それでも幸子には大人に見える


列車が走り出した
一泊二日のバカンス、、じゃなくて仕事だわ
幸子は張り切っていた
三原の高そうな腕時計を眺めながら幸子は恭二の残像を思い出すのであった

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