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満ちる満ちる満ち足りる
第4章 愛しのペリー
「幸子先輩、あの人カッコ良くないですか?」

横に座っている後輩の女の子が話しかけてくる

「え、どの人?」

「あの課長の横で挨拶してる人ですよ。」

彰のことか
世間的にはそう写るのか
実はド変態なのよと教えてあげたかったが
ルームシェアのことは絶対にバレてはいけない



金曜の夜
幸子は真由と
かつての遊び仲間、尚哉が集まるというので
しゃぶしゃぶ屋に来ていた
箸が四席分ある

真由と尚哉はセフレを通り越して熟年夫婦のようだ

「あれ?遅いね。」

真由が携帯を見ている

「誰か来るの?」

「決まってるじゃなーい。あ、こっちこっち!」

なんと歩いてきたのは恭二だった

「遅くなってごめん。」

幸子は恭二とはあのコンビニ以来だ

「久しぶり。」

幸子は既に見とれている
恭二のジーパン姿が似合っていた

「幸子が肉全部食べて恭二君の分無いわよ。」

真由がおちゃらける

「ははははっ」

ほぼ真由がしゃべっている
幸子は時折恭二の表情を見つつ
会話に参加する

「さーちこーなに黙ってんのよぉ。出張の話をしなさいよう。」

ふと、恭二を見ると恭二も幸子を見ていた


熟年夫婦?と分かれてから
幸子と恭二は飲み屋街を歩く
セッティングしてくれた真由には悪いが
早く二人っきりになりたかった
なのに、いざなると会話が思い付かない
恭二もただ黙って幸子の横を歩く

「彼氏でもできた?」

「えっ。」

「コンビニで会ったときさ、車に人乗ってたからさ。」

「あれは、、、、弟。」

あながち間違いではない。

「そうなんだ。」

恭二は少し安堵したようだ

「さっちゃんが、あの夜黙って帰ってしまってさ。俺強引だったかなとか気にしてたんだ。」

「あたしこそ黙って帰ってごめん。」

というかキスした以降の記憶がない

「私たち、チューだけだったよね?」

幸子が自分の唇を指差す

「うん。チューだけだったよ。さっちゃんそのまま寝ちゃったからさ。寝言言ってたよ。っふふふ。」

「なになに~?」

恭二の二の腕を掴んで揺らす
すると恭二がいきなり幸子の手をほどいて狭い路地裏に引っ張る。2人ギリギリ入れるくらいの狭さだ

「恭ちゃん?」

壁ドンの距離
幸子の顎をくいっと上向けると
恭二の唇が近づいてくる
幸子も受け入れる
柔らかい唇
舌なんか入れずとももう、濡れてしまう
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