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冬雪記
第1章 はじまり
 亜由美が気がついた時、そこは闇だった。

 眼を閉じても開けても変わらない闇だった。

 ひんやりとした空気が漂っている。

 からだも冷えているようだ。

(ここは……?)

 床に転がったままの亜由美は記憶を辿る。

 隆昭との逢瀬の途中に夫の昇一が踏み込んで来て……

(そうだわ、わたしは気を失った……)

 からだを動かそうとすると、腹部に痛みが走った。

 張られた頬にも痛みが戻る。

(……ここは、どこなの?)

 目を凝らしても何も見えない。

 しんとした闇が広がっているだけだ。

 寝室なのだろうか。

 しかし、窓の鎧戸はいつも閉めない。

 だから、こんなに闇になるわけが無い。

 別荘から連れ出されたのかもしれない。

(昇一、怒っていたわね…… あの人、怒ると我を忘れるから何をしでかすやら……)

 不意に隆昭の事が不安になる。

(まさか、最悪な事にはなっていないわよね……)

 亜由美は立ち上がった。

 鼻腔をつく、嗅ぎ慣れないにおいがした。

 歩き出そうとしたが、右足首に何かが引っかかり、倒れてしまった。

「何よ!」

 亜由美は思わず声を上げた。

 と、室内が俄かに明るくなった。

「きゃっ!」

 亜由美は悲鳴を上げた。

「雌豚が! 人間並みの悲鳴を上げるんじゃない!」

 そう怒鳴ったのは、夫の昇一だった。
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