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隠れ湯… 秘湯の女将
第4章 揺れる心
そして、夕方近くに成り一人の男性客が訪れた……

荷物を両肩に掛け、短髪で日に焼け、身体はごつく逞しい野性味溢れる容貌であった………

十人位のお年寄りグループが、囲炉裏の間、後の客は部屋食であった……

春香さんには、料理を運んだついでに、一緒に食事するよう伝えておいた………

楽しいひと時を過ごしたようであった…子ども達は、春香さんにベッタリで、凄くはしゃいで、母の温もり、暖かさを感じていた瞬間であった………

そして、翌朝……

帰り際、子ども達は春香さんにしがみつき、タダをこね帰るまで大変でした……

ヤダ~ヤダ~帰りたくないよ~

お母さん、一緒に帰ろ~

だめなのよ~ごめんなさいね……

二人の子どもを思い切り抱きしめながら、止めどなく溢れる涙を流すだけでした………
非情とでもいう……辛い別れであった…
……また、来てね…
楓も……一筋の涙がこぼれ落ちた………


辛い、一日であった……

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