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おはようのキスからおやすみのキスまで
第1章 朝
 何を尋ねても渚は「うん」としか返さない。ゲームに没頭するのは構わないが、隣に自分がいるのに無視され続けるのは気分のいいものではない。不満を募らせる伊吹はしばらく考え込んだ後、トップスから剥き出しになっている渚の肩にちゅっ、と軽く口づけた。
 華奢な身体がぴくんっと揺れる。その愛らしいリップ音と柔らかな唇の感触は、渚の体内にこもる不快な熱を一瞬だけ忘れさせた。
「……何してるの?」
「肩にキスしてる。渚の二の腕、ひんやりしてて気持ちいい」
「人の身体で涼まないで」
「いーじゃん。渚のカラダは俺のだし」
 いつから私の身体は伊吹のものになったのか、そう咎めたくても渚には何も言い返せない。伊吹の主張はあながち間違いではなくて、それは渚自身もちゃんと認識していたから。
 専門学生時代に出会い、飲み会を通じて親交を深めていった渚と伊吹。当時渚は19歳、伊吹はひとつ上の20歳。先輩後輩という間柄から発展し、恋人同士になってから早6年が経つ。社会人となった今は、家賃の安い小さなアパートで同棲するまでに至る。
 20代半ばを迎え、そろそろ結婚を視野に入れなければならない節目に差し掛かっている。けれど伊吹からプロポーズらしき言葉はなく、そんな気配も感じられない。長い交際期間を経て新鮮味もなくなってきた今、色々となあなあになっているような現状が懸念材料ではあるけれど。結婚に対して伊吹がどう考えているのかも謎だし、別段焦っているわけでもないから、まだ口に出す必要はないかと渚は楽観視していた。
 ───と、その時。
「……え……っ、わ、なにっ」
 うつ伏せでゲームをしていた渚の上に、ずしりと人の重みが加わる。急に覆い被さってきた伊吹に非難の目を向けても退いてくれる気配はない。そればかりか渚の項に吸い付いて、白い素肌に自らの印を散らしていく。首筋や腕にも口づけながら、渚が着ているオフショルダートップスをするすると下げていく。
「……い、伊吹」
 露出する肌の面が広がり、身の危険を感じた渚の中に焦りが生まれる。慌てて伊吹に制止を掛けた。
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