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夢魔の半生
第9章 アマデウス
 言ってしまえば八つ当たりだ。さて、今日の生贄は誰にしようかな?ざーっと辺りを見渡しベンチに座ってる女の子に白羽の矢を立てる。
 少し下膨れの輪郭に大きな垂れ目の愛嬌のある顔立ちはなんとなく絵本の仔狸を思い出させる。水色のワンピースを纏ったスラッとした肢体。その中でも一番に目を引くのは豊かなバストだ。座っているのではっきりとは判らないがおそらく150㎝前半の身長に不釣り合いな大きさの乳房。最低でもFカップもしかしたらIカップ以上かもしれない。
 膝の上に黒く細長い楽器ケースを乗せのんびりと日向ぼっこを楽しんでいる。すれた所の無い世間知らずのお姫様って感じだ。
 俺は好青年、いや好中年を装う。穏やかな笑顔、紳士的な物腰は初対面の女に警戒心を抱かせぬ様に編み出したナンパのテクニックだ。
 ゆっくりとした歩調でベンチの前に立つと静かに語りかける。
 「こんにちわ。」
 突然声を掛けられて一瞬驚いたようだが営業スマイルが利いたのかもともと人懐っこい性格なのか
 「こんにちわ。」
 鈴を転がした様な声で返事が返ってくる。
 「すいません。学生でなくてもここの学食でなら安くて美味しい物が食べれるって聞いてきたんだけど。」
 お腹を押さえて少しおどけて見せる。
 「ええ。うちの学食は結構レベル高いですよ。メニュー豊富でどれも美味しいですよ。値段も日替わり定食なら300円ですし。」 
 「噂通りですか。」
 「でも早くしないと日替わり定食はすぐに売り切れちゃいますよ。」
 「そうなんですか。さっきから学食探して彷徨ってるんですけどみつからなくて。」
 「初めての人にはちょっと判り辛いかも知れませんね。・・・私もご飯にしようと思っていたのでよければご案内しましょうか?」
 釣れた!
 内心ガッツポーズをとりながら舌舐りする。
 「いいんですか?助かります。そうだ、お礼にご馳走させて下さい。でも貧乏なんで5千円までにして下さいね。」
 情けない顔を見せると仔狸ちゃんはコロコロと笑い出す。
 「5千円も食べたら相撲部だってひっくり返りますよ。」
 にこやかに笑いながら立ち上がる仔狸ちゃんに先導されて少し奥まった所に在る学食に入る。
 広い。ざっとキャパ600人って感じか?入り口には券売機が5台も並んでる。
 どれどれ、今日の日替わりは・・・残念売り切れだ。
 
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