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夢魔の半生
第2章 公園
 まあ、今回は補導員でもお巡りさんでもないからというのが効いたのかもしれない。
 擦れた感じの全くしない普通の小学生が学校サボって公園に居るのだ。普段なら頼もしい警察官なんか今は恐怖の対象でしかないだろう。
 「僕は山嵜颯太(ヤマザキ・フウタ)。君は?」
 笑顔のまま静かに自己紹介すると女の子の口許が緩む。
 「篠本一美(ササモト・カズミ)」
 名乗ると少し膨らみ始めた胸の名札を回して見せてくれた。最近は個人情報がどうの誘拐がどうのと警戒がきつくなり名札は回転式になっていて校外では裏面を出しておくらしい。
 「カズミちゃん。5年生って事は11歳?」
 「まだ10歳。」
 はにかみ笑う右頬に小さなえくぼが浮かぶ。愛らしい。10歳じゃ初潮はまだかな?まだなら何十発中出ししても妊娠の心配はないな。
 もくもくと膨れ上がる獣欲を噯にも出さず優しいお兄さんを演じ続ける。
 「カズミちゃんはなんで学校サボっちゃったの?」
 細い肩がビクンと震え背中を丸めて下から覗き上げる目が見事に泳いでいる。
 「えっと、お腹がいたくなって・・・」
 「押さえてるの頭だよ。」
 指摘され頭を抱えていた手をお腹に当ててから照れ笑いを浮かべる。
 「ま、学校なんてサボったて別に構わないさ。」
 嘯きながら一美の隣のブランコに腰掛ける。うわぁ!ブランコに座るなんて十何年ぶりだろう。子供用に鎖が調整されているので非常に座りにくく不安定だ。
 「怒らないの?」
 「言わなかったっけ?僕は補導員でもお巡りさんでもないんだよ。それに学校サボりなら先輩だぜ。小6で引きこもり歴2ヶ月!」
 「うそ!」
 一美の目が丸くなり身体を乗り出してくる。本当にコロコロと表情の変わる娘だ。
 「本当だよ。今もだけどあの頃から体臭がきつくてね、毒ガスだのスカンクだのって虐められてて夏休みを2ヶ月延長したんだ。」
 「え~っ!ひっどぉ~い!」
 出会ったばかりの見知らぬ小父さんの為に憤慨してくれるのは有難いけど。ここが勝負の仕掛け所だ。
 「本当に臭いから仕方がないよ。ほら。」
 知らず知らず近付いて来ていた一美の鼻面に半袖の袖口を押し当てる。
 胯間程ではないが腋臭にも強力な催淫フェロモンが含まれている。
 「くさ!」
 強烈な獣臭を浴びせられ一美は慌てて鼻を摘まむがもう手遅れだ。
 
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