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ノーサイドなんて知らない
第10章 幸せな時間
夏休みになった。
今年の夏休みは、特別な気がしてしまう。
3人の子供達と熊野さんと5人で、
飛行機に乗り込む。
優(まさる)さんは、まだ小さくて、
耳を痛がったりしたけど、
CAの方に優しくして貰ってニコニコしていた。
アメリカでは、
お兄様の家に滞在させて貰って、
お医者様グループの食事会や病院のチャリティーの集まりにも参加させて貰った。
それは大人だけの集まりで、
子供達はご近所のお子様達と遊んだりして過ごした。
健(たける)さんだけそのまま残して、
熊野さんは仕事があるので日本に先に帰国して、
私は下の2人を連れて、イギリスとフランスの家に回ることにした。
イギリスの館では、
ご近所の少し歳上の男の子達に混ざって、
渉(わたる)さんはラグビーをしたり、
クリケットをしたりで、
物凄く楽しそうだった。
「お兄ちゃんがアメリカ行くなら、
俺、イギリスに行きたいな」と、
冗談めかして渉(わたる)さんが言うと、
祖父母が物凄く喜んでしまっていた。
「イギリスは…大変よ?
グランパのお顔に泥を塗らないように、
キチンとしないといけないのよ?
俺…みたいな言葉遣いもダメよ?」と言うと、
「じゃあ、毎日、グランパと電話でお話ししたら、
ちゃんとした英語、喋れるようになるんじゃないの?」と言い出す。
「それは、良いかもしれないけど、
ママ、淋しくなっちゃうわ?」
「でも、まだ、優(まさる)くんも居るし、
パパも居るよ?」と笑う。
「それにさ、こっちにいたら、こっちの大学で研究出来るんでしょ?
そしたら、ママの病気、治せるかもよ?
お兄ちゃんと競争だよ?」と言われて、
涙が出てしまう。
「ワタルはこの歳で、
ちゃんとママを守るような子で、
充分ジェントルマンだから、
イギリスの学校に来ても充分やっていけるよ」と、
グランパは笑って、
グランマは涙ぐんでいた。
私の母は、
にっこり笑いながら、
「メアリーはたくさんの騎士に守られていて、
幸せなお姫様ね?」とウィンクした。
優(まさる)さんは、
オヤツを食べて満足してカウチでお昼寝していた。
本当に私、幸せだと思った。
今年の夏休みは、特別な気がしてしまう。
3人の子供達と熊野さんと5人で、
飛行機に乗り込む。
優(まさる)さんは、まだ小さくて、
耳を痛がったりしたけど、
CAの方に優しくして貰ってニコニコしていた。
アメリカでは、
お兄様の家に滞在させて貰って、
お医者様グループの食事会や病院のチャリティーの集まりにも参加させて貰った。
それは大人だけの集まりで、
子供達はご近所のお子様達と遊んだりして過ごした。
健(たける)さんだけそのまま残して、
熊野さんは仕事があるので日本に先に帰国して、
私は下の2人を連れて、イギリスとフランスの家に回ることにした。
イギリスの館では、
ご近所の少し歳上の男の子達に混ざって、
渉(わたる)さんはラグビーをしたり、
クリケットをしたりで、
物凄く楽しそうだった。
「お兄ちゃんがアメリカ行くなら、
俺、イギリスに行きたいな」と、
冗談めかして渉(わたる)さんが言うと、
祖父母が物凄く喜んでしまっていた。
「イギリスは…大変よ?
グランパのお顔に泥を塗らないように、
キチンとしないといけないのよ?
俺…みたいな言葉遣いもダメよ?」と言うと、
「じゃあ、毎日、グランパと電話でお話ししたら、
ちゃんとした英語、喋れるようになるんじゃないの?」と言い出す。
「それは、良いかもしれないけど、
ママ、淋しくなっちゃうわ?」
「でも、まだ、優(まさる)くんも居るし、
パパも居るよ?」と笑う。
「それにさ、こっちにいたら、こっちの大学で研究出来るんでしょ?
そしたら、ママの病気、治せるかもよ?
お兄ちゃんと競争だよ?」と言われて、
涙が出てしまう。
「ワタルはこの歳で、
ちゃんとママを守るような子で、
充分ジェントルマンだから、
イギリスの学校に来ても充分やっていけるよ」と、
グランパは笑って、
グランマは涙ぐんでいた。
私の母は、
にっこり笑いながら、
「メアリーはたくさんの騎士に守られていて、
幸せなお姫様ね?」とウィンクした。
優(まさる)さんは、
オヤツを食べて満足してカウチでお昼寝していた。
本当に私、幸せだと思った。