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ノーサイドなんて知らない
第2章 ラグビーなんて観たことない
「じゃあ、今日は仕事のことでも話そうか?
俺はね、名刺を渡したよね?
そこの会社で働いてる。
営業って書いてあるけど内勤だけ。
資料作ったりコピー取ったり、アシスタントみたいな仕事。
メインは、ラグビーの選手やってる。
ラグビーって観たことある?」

私は首を横に振った。

「高校まで女子校でそういう部活なかったし、
大学では、体育は一番人気がない空手を選択したから、
グラウンドがある方は行ったことなくて…。
テレビもないから、観たことないです」

「そっか。
じゃあ、いつか観に来てもらおうかな?
まあ、怪我も多いし、
ルール解りにくいって言われるし、
外だからな」と笑う。

「普段は定時よりずっと早くに仕事終えると練習するか、
試合とか遠征の時は仕事は休むわけ。
朝も走ってるしね」と説明してくれた。


「私は…家で翻訳の仕事をしてます。
時々、同時通訳とか頼まれることもあります」

「頭、良いんだね?」

「そんなことないです。
人混み苦手だし、
それに、その…。
私、人の顔を覚えられないから、
とても普通の会社とかの仕事、出来なくて…」

「相貌失認?
先天性のヤツ?」

「えっ?
知ってるの?」

「知識としてはね。
それじゃ、大変だっただろうね?」

「両親の顔も、よくわからないんだけど、
何となく子供の頃から一緒にいるから、
声とか空気感で判別してるの。
髪型とか変わると一瞬パニックになってたな。
だから、熊野さんのことも、顔、覚えられなくて…」

「だから、声を聴いてから、
反応してたのかな?」

「それで…きっと不快な思いをさせてしまうし、
お付き合いなんて…」

「良いじゃん。
毎回、新鮮な気持ちで会えるよ?
楽しいよ」と言ってくれるので、
私は泣きそうになって俯いてしまう。


熊野さんは、そっと手を握ってくれる。


「あ、ごめん。
茉莉(めあり)、可愛くて手を握ってしまった。
人混み苦手なら、
外に出る時、手を繋げるようになるくらいは、
仲良くなりたいな?
勿論、嫌ならしないよ?」とゆっくり優しい声で言ってくれた。

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