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ノーサイドなんて知らない
第1章 ジェントルマン(クマ)との出会い
乗り換えの為に在来線のホームに向かおうとしたら、
エレベーターとエスカレーターが何かのトラブルで止まっていた。
仕方なく両手でスーツケースを持って一段ずつ登り始めようとしたら、
ヒョイとスーツケースを誰かが持ってくれた。
驚いて見上げると、
多分、さっき隣に座っていた男性だった。
「持つよ」と言って、
本当に軽々と私のスーツケースと自分の荷物を持って階段を登っていく。
そして、ホームに降りるエスカレーターも止まっていて、
その階段もそのまま荷物を持ってくれた。
ホームも人が溢れていた。
近くで大きなイベントでもあったのかもしれない。
見上げながら、
「あの…ありがとうございました」と言うと、
「たいしたことないよ。
じゃあ!」と言って、
同じスーツを着た他のヒトの処に合流してしまった。
チラチラと他のヒトがこちらを見ているような気がして、
少し恥ずかしくなってしまう。
電車が来た。
でも、物凄い人混みで、
スーツケースを持った状態ではとても乗り込むことは出来ないと思ってスルーした。
電車が行った後、見るとさっきの男性達の一部もホームに残っていた。
次の電車は各駅で、
少しだけ混み方がマシに感じたので、
両手でスーツケースを持って乗り込んだ。
そして、最寄駅に着いて降りると、
また、エレベーターが止まっていた。
…今日は厄日なのかな?
私は小さく溜息をついて階段に回ろうとすると、
多分、さっきの男性がまるで私を待っていてくれたかのように立っていた。
「荷物、持つよ」とあまりにも自然に笑うので、
「本当にありがとうございます」と頭を下げた。
同じスーツを着た方たちは、既に階段の上のあたりから、
姿を消す処だったので、
本当に私を待っていてくれたのかもしれなかった。
改札を抜けて、
タクシー乗り場まで荷物を持ってくれたので、
「あの…お礼をしたいので、
ご連絡先を教えて頂けませんか?」と言ってみた。
「お礼なんて。
女の子が重たいモノを持ってたら、
持つのは当たり前だし」と言って笑う。
…紳士すぎる。
しかも私、女の子って歳でもない。
彼の方は学生か、それに近そうな年齢。
「でも、それじゃあ…」と言うと、
「じゃあ、時間ある時に電話くれる?」と言って、
ポケットから名刺入れを取り出して渡してくれた。
エレベーターとエスカレーターが何かのトラブルで止まっていた。
仕方なく両手でスーツケースを持って一段ずつ登り始めようとしたら、
ヒョイとスーツケースを誰かが持ってくれた。
驚いて見上げると、
多分、さっき隣に座っていた男性だった。
「持つよ」と言って、
本当に軽々と私のスーツケースと自分の荷物を持って階段を登っていく。
そして、ホームに降りるエスカレーターも止まっていて、
その階段もそのまま荷物を持ってくれた。
ホームも人が溢れていた。
近くで大きなイベントでもあったのかもしれない。
見上げながら、
「あの…ありがとうございました」と言うと、
「たいしたことないよ。
じゃあ!」と言って、
同じスーツを着た他のヒトの処に合流してしまった。
チラチラと他のヒトがこちらを見ているような気がして、
少し恥ずかしくなってしまう。
電車が来た。
でも、物凄い人混みで、
スーツケースを持った状態ではとても乗り込むことは出来ないと思ってスルーした。
電車が行った後、見るとさっきの男性達の一部もホームに残っていた。
次の電車は各駅で、
少しだけ混み方がマシに感じたので、
両手でスーツケースを持って乗り込んだ。
そして、最寄駅に着いて降りると、
また、エレベーターが止まっていた。
…今日は厄日なのかな?
私は小さく溜息をついて階段に回ろうとすると、
多分、さっきの男性がまるで私を待っていてくれたかのように立っていた。
「荷物、持つよ」とあまりにも自然に笑うので、
「本当にありがとうございます」と頭を下げた。
同じスーツを着た方たちは、既に階段の上のあたりから、
姿を消す処だったので、
本当に私を待っていてくれたのかもしれなかった。
改札を抜けて、
タクシー乗り場まで荷物を持ってくれたので、
「あの…お礼をしたいので、
ご連絡先を教えて頂けませんか?」と言ってみた。
「お礼なんて。
女の子が重たいモノを持ってたら、
持つのは当たり前だし」と言って笑う。
…紳士すぎる。
しかも私、女の子って歳でもない。
彼の方は学生か、それに近そうな年齢。
「でも、それじゃあ…」と言うと、
「じゃあ、時間ある時に電話くれる?」と言って、
ポケットから名刺入れを取り出して渡してくれた。