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ノーサイドなんて知らない
第3章 知らないのは私だけ?
翌朝、リムジンバスで羽田に向かって、
朝一番の飛行機で大分に飛んだ。

良くわからないけど取り敢えずスタジアムに向かった。

チケットを販売しているブースに行って、
「当日券ください」と言うと、
何か難しいことを言われる。


多分、どちらのチームの応援か訊かれているのかなと思って、
熊野さんの会社名を言ってみた。

座席の種類も訊かれたけど、
正直、良くわからなくて、
「一番寒くない席でお願いします」と言うと笑われてしまった。


中に入って、キョロキョロしていると、
チラシを配っている男性に声を掛けられる。

「席、探してるんですか?
ああ、良い席ですね?
あっちに係りの人、居ますよ」と言われて、
深々とお辞儀をした。


ガラガラの席に入ると、
温かいコーヒーと膝掛けを出していただいた。


少しずつ観客席が埋まって行くけど、
思ったよりガラガラで少し驚く。


私が座っている処は、
どうやら、関係者の方とか記者の方が陣取る処みたいだったので、
物凄く場違いで、気配を消すようにしていた。


試合が始まった。
ボールを追いかけて、
右や左に選手が流れていく。

スクラムというものを組んだり、
飛び上がったりしている。

時々、大きくボールを蹴り出す。

冷たく冴えた青い空に、
ボールが浮かぶのを観ながら、
どうしてあんな、楕円形なボールをコントロール出来るのか、
不思議に思っていた。


時々、倒れ込んだりする人がいて、
熊野さんじゃないか、
ハラハラしてしまう。


試合が終わる笛が響いた。

それがノーサイドというのを、
その時はまだ、知らなかった。


ザワザワした座席、
インタビューの画面が、
モニターに映る。


顔は判らないけど、
2人のうち、1人は熊野さんでビックリしてしまった。


インタビューされるってことは、
活躍してたのよね?


選手の列に戻って、
観客席に手を振る小さい姿を目で追った。

女性の方もたくさん居て、
立ち止まって写真を撮られてるみたいだった。



「クマ、調子良いよね?」という声が後ろからして、
ビクっとしてしまう。


私はバッグを持って、
そっとスタジアムを後にした。


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