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ノーサイドなんて知らない
第4章 あちこちに波及するけど、大丈夫かな?
熊野さんのご実家は、そこから車で30分ほどの、
閑静な住宅街にあった。


大きな二世帯住宅で、
お兄様夫婦が隣のドアの部分に住んでいるそうだった。


優しそうな専業主婦だというお母様と、
大学教授をしているというダンディなお父様を紹介された。

でも、顔は覚えられないから、
声や動きを記憶に刻んでいきながら、
少し緊張してお話をした。


熊野さんは、
「あれ?
兄貴たちは居ないんだ。
会わせたかったな」と言って笑う。


「森田茉莉(めあり)さん。
まだ出会って間もないけど、
俺が一目惚れして、
付き合って貰ってる。
さっき、指輪も渡した。
早く親父達にも紹介したくて、
連れて来た」と言われて、
紅くなってしまう。


紅茶を出しながら、
「まあ、可愛らしいお嬢様ね?
薫さんの隣に居ると、
美女と野獣ね?」とお母様が笑う。


「メアリーって?
失礼ながら、ハーフなのかな?
顔立ちも綺麗だから…」と言われて、
余計に恥ずかしくなってしまう。


「母がイギリス人です」となんとか答えると、
「ご両親は、仕事と介護でイギリスなんだって」と、
熊野さんが私の代わりに続けてくれる。


「おや。イギリスでお仕事ですか。
どのような?
いや、失礼。
初対面なのに…」


「大学で免疫学を教えたり研究しているみたいです」と言うと、

「んっ?
私と同じ大学に居た森田教授かな?」と言われて、
驚いてしまう。


「だったら、奥様ともお会いしてるな。
お前も会ったこと、あるだろう?」


「そうですね?
あら、不思議なご縁ね?」と、お母様がにっこり笑った。


「あの…でしたら、ご存知ですよね?
私の障害のこと…」


「茉莉(めあり)、別に障害なんかじゃないよ?」と、
熊野さんが優しく手を握ると、

「あのさ、
俺、もう、茉莉(めあり)だけって決めてるから、
反対してもダメだからね?」とご両親に宣言するように言った。


「反対なんてしないよ?
薫は良い大人なんだから、自分のことは自分で決めるだろう?
相貌失認だったよね?
他のことで補って他人を認識出来るんだから、
別にそこまで不自由はないだろう?
個性って考えれば良いんじゃないかな?」と言われて、
私は思わず涙ぐんでしまった。
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