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芦屋洋館秘話 ハウスメイドの献身ご奉仕
第2章 ハウスメイド 涼子

(回想シーン4)
その日から、百合子さんのお手伝いをしながら忙しく過ごした。数週間後には、2階のご主人様の書斎、寝室、浴室スペースの清掃や、ベッドメイク、クローゼットの整理、お洗濯・アイロンなどを一人で任せてもらえるようになった。コックさん、庭師さんなど周りの使用人の皆さんにも優しく接していただいて、少し余裕が出てきたころに気付いたことがあった。
毎夜、夕食後に頃合いを見てご主人様の書斎か寝室にお茶をお持ちし、おやすみになるまでや、翌朝に何か御用がないかお伺いするのだが、必ず百合子さんが付いてきてくれて、言葉使いや所作を教えてくれたり、ご主人様と私が少しずつ打ち解けられるように、話題を取り持ってくれた。そして愛育院のクリスマス会とぬいぐるみのことや、ご主人様の海外出張中の出来事などで話が弾んでも、せいぜい15分ほどで退室したのだが、百合子さんはその後一人で1階にある先代のご当主の寝室にお茶をお持ちしていた。
しかし、すぐには退室せず、たいていは12時を過ぎる頃までか、時々は早朝まで自室には戻らなかった。自室に戻る時の百合子さんを廊下で見かけたこともあったが、入浴後の様子だったり、時には足元を少しふらつかせていた。私はご主人様の寝室でのご奉仕を、少し具体的に想像するようになっていた。

