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芦屋洋館秘話 ハウスメイドの献身ご奉仕
第2章 ハウスメイド 涼子

(回想シーン6)
・・・その日の夜、私は書斎のドアをノックした。ご主人様からの「どうぞ」の声を聞いて、大きく深呼吸してから入室したのだった。ご主人様は書斎机を立ってソファーに向かって歩きながら、私を見て明るく微笑まれた。私はサイドテーブルにお茶をお出しし、膝をついて控えた。
「今日から一人でとお願いしたけど、緊張しなくていいからね。いつものように少しお話をしよう。百合子さんからは、その姿勢で控えるように教わっていたようだけど、僕と二人の時は、構わないからこちらに来て横に座りなさい。」 とソファーに誘われた。最初はソファーの端に浅く腰掛けたが、すぐに腕を引かれてご主人様の横に深く座ると、膝においた手を握って下さった。
「百合子さんから聞いたけど、この間、お客様を招いて夕食会をしたとき、人手が足りなくてコックさんの手伝いまでしたんだって。」 とおっしゃったので、てんぷらの盛り付けが言われた通りに出来なくて悔しかった、などと少しずつお話ししているうちに、そっと肩を抱いて浅く短いキスをして下さった。私の体が固まってしまったのを、優しい目でしばらく見つめてから、 「ベッドに行って、少しお話を続けよう。」 と誘って下さり、二人並んで仰向けになって手をつないだまま、今度はご主人様から半時間ほど、洋館の歴史や、会社のお船のことなどをお話して下さった。
「さあ、今日はこれで部屋に戻りなさい。たくさんお話ができて楽しかったですよ。」 と仰って、軽いキスをして下さり、私は 「有り難う存じます。」 と短くお礼を申し上げて退室したのだった。
翌日は、ソファーから寝室に移動する時に、一緒にシャワーを浴びるように言われ、私は初めてご主人様に裸を見ていただいた。きれいな肌だとほめていただいたが、私はずっと下を向いていて、ご主人様の体を見ることはできなかった。清楚な白の下着をつけ、パジャマに着替えてから、やはりベッドで手をつないで少しお話をした。いつキスされるのか、いつ脱がされるのか、そんなことを考えて緊張していたので、お話しは何も覚えていない。ご主人様の 「・・・に戻りなさい。」 という声が遠くで聞こえたように思ったが、気が付くと、再び着替えて退室していた。
毎日のご主人様の優しい振る舞いと思いやりに、むしろ初体験を早く望んでいる自分に気付いたのだった。

