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芦屋洋館秘話 ハウスメイドの献身ご奉仕
第5章  ハウスメイド 志保

 その日、慶一は遅くまで会食があり、洋館に戻ったのは深夜だった。出迎えた有香と志保に、慶一は、「もう遅いし、酔っているので、洗面だけして休むから。明日の朝にシャワーするよ。」と言い置いて、寝室に入った。有香は、志保に、「冷たいお水をお持ちして。あとはお任せしますよ。」と言って、自室に戻った。

 有香が、冷水の入ったピーチャーとグラスをトレイに載せ、慶一の寝室に入ると、慶一は既に下着だけの姿で洗面していた。志保は、トレイをベッドサイドに置いて冷水をたっぷり注いだ後、洗面室に入り、キャビネットから素早くパジャマと下着を取り出して、慶一に着せた。慶一は、足早にベッドに戻り、冷水を一気に飲み干して、横になった。そして、一息ついて、やっと口を開いた。

「今日は、香港からのお客様でね。強いお酒をご一緒したので、少し大変だったよ。今日は、すぐ休むから、もういいですよ。明日の朝は、早目に起きていないようなら、かまわず起こして下さいね。」 志保は、 「かしこまりました。おやすみなさいませ。」 とお辞儀して、退室した。

 <早目にと>いうのが、どの位か分からず、自室から有香にインターフォンで尋ねると、優しい口調で「自分で考えてごらんなさい。ヒントは、ご主人様、シャワーを浴びると仰ってたでしょう。」と言われた。
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