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芦屋洋館秘話 ハウスメイドの献身ご奉仕
第1章 当主 陽一 ~ 青山家の秘密

「本当に有り難いご縁でした。」
「その時、先代からは、<確実に後継ぎ候補の子を儲けるには、何人かのハウスメイドに奉仕してもらっていいのだけど、まずは涼子さんのことを大事にしなさい>と言われたんだ。慶一君の成長ぶりを見るにつけ、今にして思うと、あなたがとても聡明で気立ても優しいし、僕とあなたの子であれば間違いないと、先代は将来を見抜いていたような気がするよ。あなたがシスター達から習ったとても上品な英語を使うのを耳にして、ぜひ次の当主の世話をするハウスメイドにと、院長シスターにお願いしたそうだよ。」
「面はゆい気もしますが、そのように言っていただけると嬉しゅうございます。ご主人様は、私のほかには、10年ほど前に有香さんをお傍にお置きになっただけで、節度を保ってらっしゃるので、私も有香さんも穏やかな気持ちでいられるのだと思います。」

