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ホップステップ
第6章 投げる幸子
幸子が追加で注文しようと振り向いたその時だった
向こうに座って食べている男性と目が合う

どこかで見たことがあるが
幸子は思い出せない
向こうも幸子を見ている

幸子はこめかみを揉む
最近事故ったり三原とすったもんだしたりで記憶が混乱していた

男性が立ち上がって歩いてくる

「吉村さんですよね。腕大丈夫ですか?聞き手じゃなくて良かったですね。」

なぜ幸子が左利きなのを知っているのだろう
幸子はまだ頭をぐるぐるさせる

「誰、幸子ちゃん、彼氏?」

恭子が興味津々に聞いてくる
幸子は思い出せない上に適当に話も合わせられないでいた

「また腕治ったら来てくださいね。」

男性が席に戻る
幸子はピント来た
あの整骨院の助手君だ
確か名前は、、南君だったかな

「相変わらずモテるのね。幸子ちゃん。」

恭子が詮索しそうな目をしている
幸子は南ともう少し話をしたかったが
南はもうレジに行ってお会計をしている

「あの人いくつ?年下?」

「うーん25くらいかな。」

幸子はおかわりを止めて先日南にもらった紙を探す
書いてあった番号を携帯に登録した

「予約、キャンセルしなきゃなあ。」

しかし今日は整骨院は休みだった
南君の携帯に後でかけてみよう


やっと恭子の自慢話から解放されてレジに行く
すると店員が
「お支払終わられてます。あちらに座っていた方が、、」

南が座っていた所を指差す

「え~ラッキーね幸子ちゃん。お礼言わないとね。あの青年に。」

さすがの幸子もびっくりする
ただの整骨院の客なのにカレーおごってもらうなんて
営業でしているとは思えなかった

「狙ったら?年下も言いかもよ~。彼、ガタイ良かったし。プライベートでも揉んでもらえるかも。」

恭子にけしかけられる
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