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ホップステップ
第7章 同居
「さっちゃんの普通っぽいところが良いのよ。京介もそこに惹かれたんだと思う。」

「香さん、何で私の名前知ってたんですか。」

「京介が寝言で言うのよ。サチコ、サチコって。」

そういえば三原さん、夢に出てきたっていってたなぁ

「三原さんとは別れたんです。」

香の顔色が変わる

「どして?」

「私が、、わがままだったんです。」

「槻が受験生だからねぇ。」

ケヤキちゃん。娘のことだ

「さっちゃん、まだ若いし、モテるし。すぐ次見つかるわよ。というかもう見つかってる?バイクの彼、なかなか良いじゃない。」

「彼、既婚者なんです。」

香が頭を抱えるポーズをする

「ま、それが創作活動に繋がるとしたら、あたしは反対しないわ。今度の作品、サンプルの再生回数伸びてるし。」

幸子はむくむくと仕事に対する意欲が湧いてくる
普通っぽい私だからこそ出来ることがある

「香さん、あたし、がんばります!」

「不倫はほどほどにね~♪」

幸子もつられて笑う

「京介も未練たらたらじゃないかしら。こんなイイコを振るなんて。」

「あれから連絡取ってなくて。」

「ふ~ん。」

香が何か考えているようだ



午後、事務処理が一段落して幸子はAV 撮影に同行する
幸子もエキストラとして出演することになったのだ

不倫している男女がメインで
幸子は通行人役

マンションの一室
幸子はカップルがベランダで交わって居る時に外を歩くだけ
目の前で喘ぎ声が聞こえる
明らかに視界に入るがそちらを見ずに歩くだけ

香の普通っぽいという発言を思い出す
私にも需要があるのね


撮影が終わって直帰する
駅で列車を待ちながら幸子は電話を掛ける

「南です。」

整体の助手君だ

「吉村です。この間はありがとうございました。」

「いえいえ退院祝いですよ。」

爽やかな声
若いって良いな

「南さん、今日このあとご飯行きませんか?この間のお礼をさせてください。」

自分から誘う
香の「すぐ次見つかる」神話に賭けてみよう


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