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ホップステップ
第10章 夢見る夢子
一晩明けて彰の実家に帰る

「ご心配おかけしました。」

リビングに入るとまたもや恭子が来ている
昇も一緒だ
疲れるなぁ

「幸子ちゃん、元嫁の分際で外泊?ご立派だこと。」

始まった

「幸子も食べる?どら焼き。」

事情を知っている彰は優しい

「あ、もう無いわよ。これは昇の分。」

恭子の機嫌が悪い

「男と遊びたいなら自分ち帰れば?」

幸子はため息をついて
2階に駆け上がって自室にこもる
最低だ 
自分に腹が立っていた

松下のことなんかほっとけば良かったのに
そしてこんな悪者にされるなら
一回くらいエッチしとけば良かった

ベランダに出る
空は夕焼けだった
何もかも空に溶ければ良いのに
三原さんは今頃都会に居るのかな
相変わらず仕事ができてモテるだろうな
逃がした魚は大きい
松下は今頃奥さんと家族団らんかな
私のことなんて忘れてるんだろうな

あたしは一人ぼっちだ
無性に虚しくなる
このまま歳を取っていくのだわ

幸子はむしゃくしゃして
携帯のアドレス帳を見る
誰か誘ってどっか行こ

「南くん、、」

電話をかける

「今暇?」

「うーん、まだ予約が、、」

「明日は?あたしと遊んで。」

「珍しいですね。幸子さんから誘ってくれるの。」

南との約束を取り付ける
誰でも良かった
一人で居たくない
誰かに話を聞いてほしい


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