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第1章 バイト先の社長

その瞬間、私は社長に抱きしめられた。

「俺の事、怖い？」

「いいえ。」

むしろ、抱きしめられて安心する。

「だったら、俺の事信じて来て。何も怖い事なんか、しないから。」

「……はい。」

社長が離れると、寂しくなった。

きっと私、社長に恋をしているんだ。

ふと、社長を見た。

「ん？何？」

「いいえ。何も。」

社長、やっぱりカッコいい。

こんな人に恋をするなんて。

奇跡なんだろうけど、上手くやっていけるかな。


「タクシー、呼ぼうか。」

社長はタクシーを呼ぶと、私を中に乗せて、自分も乗った。

行き先を告げると、私を片手で抱き寄せた。

「社長……」

「俺と離れたくないんだろ。」

胸がキュンとした。