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私じゃなくても
第2章 溢れる涙
はぁ…

千華
お腹いっぱいになったみたい。
気持ちよさそうに眠ってる。

すやすやと眠り始めた
千華の頭を優しく撫でる頃
私の気持ちも落ち着いていた。

だめだな
こんなことで
泣くなんて…

この世のママ達
みんながやってることなんだから。

私は
千華の熱が落ち着いたことを確認すると
開けたままだったカーテンを静かに閉めて携帯を手に取った。

パパに熱が下がったことの報告をするためだ。

でも、携帯を見て
私は小さなため息をついた。

千華が熱を出したという
私からのメッセージは
未読のままだったからだ。

はぁ…
なんだか
急に疲れが襲ってきたような気がする。

そういえば
お昼から何も食べてない。
外はもう真っ暗。
お風呂…入らなきゃ…
何か…食べなきゃ…
でもきっと
千華はまたすぐに目を覚ますはず。

あぁ…
また始まる
ルーティン。

千華は少し小さく生まれたせいか
母乳を長時間飲むのが苦手で
すぐにお腹を膨らませてしまう。
でも実際は沢山飲んでないから
またすぐにお腹を空かせ
授乳…授乳……授乳…
その繰り返し。

だからせめて
今、何か食べなきゃ。

そっと冷蔵庫を開けると
昨日作ったおにぎりが残っていた。

私は千華が起きてしまうような
音を立てたくなくて
その冷たいおにぎりを手に取ると
静かにベランダのスリッパを履いた。

そして
冷たいままのおにぎりを
少し口にふくむと

また私は

静かに

涙を流した。

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