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私じゃなくても
第2章 溢れる涙
まぁ、ため息もつきたなるわな。
今日は
色々忙しかったし
心配やったろうし
疲れたんやろう。
俺は
ベランダでひと息ついてる
ワンちゃんの邪魔をせんように
息をひそめて
また空を見上げた。
そういえば
ワンちゃん
飯、食うたんやろうか。
風呂はまだ入ってへんやろうな。
いつ入るんやろう。
千華ちゃんが寝てる間に
ささーっと入るんやろうか…
などと
色んなことを考えてると
隣の部屋から
しばらく聞こえていなかった
千華ちゃんの泣き声が聞こえはじめた。
そのあと聞こえてきたのは
ワンちゃんの慌てたような足音。
あぁ…
せっかく
休憩してたのに
可愛そうに……
けど明後日には
奥村さん
帰ってくる言うてたしな。
そしたら
ゆっくり風呂も入れるやろう。
それまで頑張れ
ワンちゃん。