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私じゃなくても
第2章 溢れる涙
「あ、でも
ひとつ、いいですか?」
ひとつだけ?
まぁ、ひとつでも
あるならええか。
「どうぞ」
「お腹空いてるなら
食べて下さい。
それ、買ってきたんですよね?」
そう言いながら
ワンちゃんは
俺の持ってる袋を指差した。
「あー…、酔うと買う癖あって。
お腹いっぱいやのに
買うてしまうんです。
あ、よかったら
一緒に食べません?
たこ焼きなんやけど」
たこ焼き
一緒に食べよとか
俺は何を言うてんねん。
子供やないんやから
ワンちゃんが
はい、食べます!
とか言うわけないやん。
と、心の中で
ツッコミを入れたその時
なんとワンちゃんは
俺を見つめながら
「はい」
と、返事をした。
しかも即答。
もしかして
腹、減ってる?
なんやオモロい子やなぁ。
「あーよかった。
俺一人じゃ
食べきれんかったから」
色々気になることはあるけど
ワンちゃんほんまに
お腹が空いてるのかも?
と思うた俺は
急いでたこ焼きを袋から出して
ワンちゃんに
差し出し……た。
けど
まさかの『あ〜ん』が
できるわけもなく
俺はとりあえず
たこ焼きを膝の上にのせて
ワンちゃんに話しかけた。
「どないしよ。
片手でいける?
それとも……」
千華ちゃん
俺が抱っこしよか?
と言いたかったけど
赤ちゃん抱っこしたことはほとんど無くて自信がない。
それにワンちゃんは
大事な千華ちゃんを
俺に抱っこさせたりさせたないかも
知れへん。
「とりあえず片手で」
その心を読まれたのか
ワンちゃんは
『とりあえず』
と言いながら
千華ちゃんをグッと片腕に抱き直した。
「せやな」
俺は
爪楊枝をワンちゃんに渡すと
たこ焼きを食べやすいように
ワンちゃんの目の前に差し出したんやけど……
「やっぱり難しいなぁ」
ワンちゃんは男と違うて
ひと口でたこ焼きを食べへんから
たこ焼きこぼしそうや。
「大丈夫?」
「……はい、……なんとか。
ん…でも
すごく美味しい」
「コンビニのやで?」
「美味しいです。
あったかくて」
ワンちゃんは
本当に美味しそうに
また
今までとは違う笑顔を俺に見せた。
けど…
あったかいって
今言うたけど
たこ焼きがあったかいのは
当たり前やろうに。
ひとつ、いいですか?」
ひとつだけ?
まぁ、ひとつでも
あるならええか。
「どうぞ」
「お腹空いてるなら
食べて下さい。
それ、買ってきたんですよね?」
そう言いながら
ワンちゃんは
俺の持ってる袋を指差した。
「あー…、酔うと買う癖あって。
お腹いっぱいやのに
買うてしまうんです。
あ、よかったら
一緒に食べません?
たこ焼きなんやけど」
たこ焼き
一緒に食べよとか
俺は何を言うてんねん。
子供やないんやから
ワンちゃんが
はい、食べます!
とか言うわけないやん。
と、心の中で
ツッコミを入れたその時
なんとワンちゃんは
俺を見つめながら
「はい」
と、返事をした。
しかも即答。
もしかして
腹、減ってる?
なんやオモロい子やなぁ。
「あーよかった。
俺一人じゃ
食べきれんかったから」
色々気になることはあるけど
ワンちゃんほんまに
お腹が空いてるのかも?
と思うた俺は
急いでたこ焼きを袋から出して
ワンちゃんに
差し出し……た。
けど
まさかの『あ〜ん』が
できるわけもなく
俺はとりあえず
たこ焼きを膝の上にのせて
ワンちゃんに話しかけた。
「どないしよ。
片手でいける?
それとも……」
千華ちゃん
俺が抱っこしよか?
と言いたかったけど
赤ちゃん抱っこしたことはほとんど無くて自信がない。
それにワンちゃんは
大事な千華ちゃんを
俺に抱っこさせたりさせたないかも
知れへん。
「とりあえず片手で」
その心を読まれたのか
ワンちゃんは
『とりあえず』
と言いながら
千華ちゃんをグッと片腕に抱き直した。
「せやな」
俺は
爪楊枝をワンちゃんに渡すと
たこ焼きを食べやすいように
ワンちゃんの目の前に差し出したんやけど……
「やっぱり難しいなぁ」
ワンちゃんは男と違うて
ひと口でたこ焼きを食べへんから
たこ焼きこぼしそうや。
「大丈夫?」
「……はい、……なんとか。
ん…でも
すごく美味しい」
「コンビニのやで?」
「美味しいです。
あったかくて」
ワンちゃんは
本当に美味しそうに
また
今までとは違う笑顔を俺に見せた。
けど…
あったかいって
今言うたけど
たこ焼きがあったかいのは
当たり前やろうに。