この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私じゃなくても
第3章 友達のライン
幸い
ワンちゃんは
まだ階段を数段上がっただけやった。

「あ、早瀬さん、こんにちは」

「あーあかんあかん。
危ないから」

「え?」

俺は
挨拶もせず
ワンちゃんの荷物に手を伸ばした。

「だ、大丈夫です」

「コケたらどないすんねん。
千華ちゃんケガするやろ」

そういうと
ワンちゃんは黙って
その荷物を俺に渡してくれたんやけど
その荷物は結構重くて
俺はまた
勝手にイラついてしまった。

「お出かけだったんですよね。
すみません」

なんやイラついて
黙ったまま階段を上がってたんやけど
その俺の後ろから
ワンちゃんの
申し訳無さそうにする声が聞こえて
俺は我に返った。

何、イラついてんねん。
ワンちゃんが
悪いわけやないのに……と。

「出かけはせんのやけど
ベランダから
ちょうど荷物持ってる
奥村さんが見えたんで」

「えっ…」

あー…やってもうた。
わざわざ来たとか言うたら
ワンちゃん遠慮するやろうから
言わん方が良かったのに。

そう思うた俺は
ワンちゃんから
また「すみません」
という言葉がでんように
こっちからガンガン喋りかけた。

「重そうやったから。
けど持ったら
ほんまに重いから
びっくりしたわー。
あ、せや
奥村さん今日何時頃やったら
おるんやろうか。
なんや今日寝坊してしもて
さっきまで寝てて」

「あ、えっと
晩御飯は家で食べるから
そのくらいの時間には」

「わかった。
ほな……その頃ピンポンするわ。
よし、着いたで。
千華ちゃん
またな〜」

「あ、早瀬さん」

「ん?」

「いえ、いつも」

「えーねん、えーねん。
お節介でごめんな?
じゃ!」

ガチャン。

ふーーっ。

玄関の中に入ると
俺は大きなため息をついて
苦笑いを浮かべた。

ワンちゃんに
あやまらせえへんようにすんの
なかなか大変やなぁ
…と。

/51ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ