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私じゃなくても
第3章 友達のライン

聞こえてきたのは
ワンちゃんの声。

驚いてその声に視線を合わせると
そこには
千華ちゃんを抱いた
ワンちゃんが立っていた。

え?!
なんでなんで?
いや、俺は無茶苦茶嬉しいけど
なんで?

「奥村さん、どないしたん?」

「また千華が泣いちゃって」

え?
俺には泣き声とか
聞こえへんかったけど……

「それは大変や。
こっち座って」

「ありがとうございます」

ワンちゃんは
素直に俺の隣に座ったんやけど
やっぱり千華ちゃんは
泣いてないみたいやった。

どないしたんやろ…
なんかあったんやろうか。

「お疲れさん」

「え?」

「今日も大変やったやろうな
思うて」

そう言うと
さっきまで笑顔やった
ワンちゃんの顔が少し歪んだ。

やっぱり
なんかあったんやな。

「変わろか?」

「え?」

「ずっと抱いてたら大変やろ?
俺が抱いたら
千華ちゃん泣いてまうやろか」

それとも
泣いてまうのは
ワンちゃんの方やろうか。

その時
ワンちゃんの唇に
ぎゅっと力が入っていた。

「……」

なぁ、俺な
ワンちゃんが心配で仕方なくてな
どうしようもないねん。

なんでか分からへんけど
ワンちゃんを助たいし
優しくしてやりたいんや。

せやから

もう少し
俺に甘えてくれへんかな。

「夕方挨拶行った時も
抱っこしてたやんけ。
疲れたやろ?」

「……」

「あ、それとも
俺に抱っこ…されたない?」

「そんなこと」

あぁ
やっと喋ってくれた。

「ほなええ?」

「……いいんですか?」

「ええに決まってるやんか
俺から頼んでんのに」

そう言いながら
俺がクスクス笑うと
千華ちゃんが「ウーウー」って
言いながら手を動かした。

「おぉ!
千華ちゃんもノリノリやで!
千華ちゃーん。
こっち来てみるかー?」

そう言いながら
前に教えてもろうた通りに
自分の腕でゆりかごを作ると
ワンちゃんは
ちょこんと頭を下げてから
ゆっくりと立ち上がった。

「大丈夫やでー
早瀬さんは優しいんやでー」

ワンちゃんは
俺のその言葉に微笑み
そして
無茶苦茶優しく
千華ちゃんを俺に委ねた。

その時俺は
ワンちゃんと少しだけ
触れ合えることを
意識してたし期待してたんやけど
今日のワンちゃんと俺は
長袖を着てて
残念ながら肌が触れ合うことはなかった。
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