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ハーレムに咲く華達
第2章 フェナ
その日の夜。

ハブリエルが、バタバタと走ってやって来た。

「フェナ。」

「ハブリエル!」

近づこうとすると、ハブリエルは私の顔を平手打ちした。

「何をするの⁉親にもぶたれた事ないのに⁉」

「自分が何をしたのか、分かっているのか⁉」

きっとアマリアの事を聞いたのね。

情報が早いわ。

「おまえがした事、全部召使い達から聞いた。アマリアをぶち、足蹴りにし、毒まで飲ませたとな!」

ハブリエルは息遣いが荒い。

そこまで興奮しているの?

「挙句に獣が徘徊する森に遺体を捨てろなど……おまえには、人間に対する尊厳と言うものがないのか!」

尊厳?あの女に対して?

「何よ……元はと言えば、ハブリエルが悪いんじゃない!」

「何だと⁉」

「私よりもあの女を溺愛して!子供まで作って!私は皇太子妃としての尊厳を、傷つけられたわ!」
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