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ハーレムに咲く華達
第2章 フェナ
「私に指図する気?」

「いいえ、滅相もない。」

召使いは、カタカタと肩を震わせていた。

こんな光景を、何度見た事だろう。

「ねえ、一つお願い事があるんだけど。」

「はい、何でしょう。」

この召使い、まだ震えている。

「私が死んだら、森の中に捨ててちょうだい。」

「何を仰います!一度は皇后候補であられたフェナ姫様の遺体が、獣に荒らされるなど、あってはならない事です!」

「それでいいのよ。」

私は召使いの手を握った。

「約束よ。」


そして私は、その日の夜。

一人ベッドで横たわり、剣で喉を引き裂いた。

「お父様……お願い……フェナを敵を取って!」

伸ばした手が、どこに向かうのかは、分からない。

私の人生は、ここで終わったのだから。
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