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ハーレムに咲く華達
第4章 フロリーナ
皇太子の部屋を出ても、胸のときめきは収まらなかった。

客室に入ると、侍女達がソワソワしていた。

「あっ、フロリーナ姫。部屋が決まったそうですよ。」

「部屋?」

「皇太子様のハーレムに入る事が、正式に決まったそうで。しかも部屋は皇太子様の寝室の近く。これは、寵愛を受けるチャンスですよ。」

寵愛……あの人の寵愛。

でも何故だろう。

私にはそんなモノ、関係ないような気がした。


「さあ、行きましょう。フロリーナ姫。」

侍女に連れられて、与えられた部屋に入った。

ここが新しい、私の部屋。

客室も豪華だったけれど、この部屋は更に豪華だ。

「よかったですね、フロリーナ姫。」

「ええ。」

私はやっと、新しい人生を歩めるような気がした。
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