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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第42章 脅迫

「課長も隅に置けないですね?結婚してるのに…旦那さん以外の男性とこんなとこに行くなんて…。」
「それはっ…!あなたには…関係…」
「関係ない」と言おうとする光江に、狩野は全てを見透かしたように言う。
「しかも…この方、同じくライバル会社の営業課のエースらしいですね?親子共々、お盛んなことで…。」
呆れた口調の狩野に対して、光江は歯軋りせんばかりに、唇を噛み締め、睨み付けてくる。しばらく狩野を睨み付けた後、光江は一転、余裕の表情になる。
「…で?あなたは何がしたいの?横領なんて父はしてないし…。別に男女のことなんて、会社には関係ないわ…。あなたが何を言っても無駄なのよ…?」
「結婚してるのに他の男性とラブホに行って、旦那さんにバレても良いんですかね?」
狩野がそう言っても光江は気にしない。
「だから何…?私達…夫婦のことにあなたが口出す権利なんてないわよ?ましてや、このことは旦那も知ってるし。知ってることを今さら言われても何も思いはしないわよ?」
光江は冷たく狩野を突き放す。横領のことなど、いくらでも揉み消せる。一介の社員である狩野が何を吠えようと、誰も聞く耳など持たない。ましてや、自分の不倫もほぼ旦那公認なのは事実。対して痛手にならない。
『まだまだ余裕って感じですか…。その澄ました面を歪ませてやる…。』
狩野は煮えくり返る心を抑え、冷静に告げる。
「じゃあ、これを鎌田取締役に見せてもよろしいですよね?」
「はぁっ…!?な…なんで…鎌田なんかに…!?」
「玉木取締役と鎌田取締役…。犬猿の仲だと聞いていますからね…。鎌田取締役なら、この情報…喜んで受け取って、しかるべき処置をしてくれそうですからね…?」
「な…なんで…あなたがそんなことを…。」
一介の社員である狩野が上層部の関係を理解しているのが、不思議でならない様子の光江。その焦った表情に狩野は満足する。
普段、対立関係など微塵も見せていない上層部。さらに、狩野が上層部と会う機会など全くない。だからこそ、的確にライバル関係の鎌田の名前を狩野が出したことに驚きを隠せない。
狩野は光江の疑問に答えてやる義務はないとばかりに言う。
「俺が横領の件と不倫の件、鎌田取締役に伝えたら…どうなるか…?聡明であられる課長なら…わかりますよね…?」
ドサリと椅子に座り、余裕の表情で語る狩野。
「それはっ…!あなたには…関係…」
「関係ない」と言おうとする光江に、狩野は全てを見透かしたように言う。
「しかも…この方、同じくライバル会社の営業課のエースらしいですね?親子共々、お盛んなことで…。」
呆れた口調の狩野に対して、光江は歯軋りせんばかりに、唇を噛み締め、睨み付けてくる。しばらく狩野を睨み付けた後、光江は一転、余裕の表情になる。
「…で?あなたは何がしたいの?横領なんて父はしてないし…。別に男女のことなんて、会社には関係ないわ…。あなたが何を言っても無駄なのよ…?」
「結婚してるのに他の男性とラブホに行って、旦那さんにバレても良いんですかね?」
狩野がそう言っても光江は気にしない。
「だから何…?私達…夫婦のことにあなたが口出す権利なんてないわよ?ましてや、このことは旦那も知ってるし。知ってることを今さら言われても何も思いはしないわよ?」
光江は冷たく狩野を突き放す。横領のことなど、いくらでも揉み消せる。一介の社員である狩野が何を吠えようと、誰も聞く耳など持たない。ましてや、自分の不倫もほぼ旦那公認なのは事実。対して痛手にならない。
『まだまだ余裕って感じですか…。その澄ました面を歪ませてやる…。』
狩野は煮えくり返る心を抑え、冷静に告げる。
「じゃあ、これを鎌田取締役に見せてもよろしいですよね?」
「はぁっ…!?な…なんで…鎌田なんかに…!?」
「玉木取締役と鎌田取締役…。犬猿の仲だと聞いていますからね…。鎌田取締役なら、この情報…喜んで受け取って、しかるべき処置をしてくれそうですからね…?」
「な…なんで…あなたがそんなことを…。」
一介の社員である狩野が上層部の関係を理解しているのが、不思議でならない様子の光江。その焦った表情に狩野は満足する。
普段、対立関係など微塵も見せていない上層部。さらに、狩野が上層部と会う機会など全くない。だからこそ、的確にライバル関係の鎌田の名前を狩野が出したことに驚きを隠せない。
狩野は光江の疑問に答えてやる義務はないとばかりに言う。
「俺が横領の件と不倫の件、鎌田取締役に伝えたら…どうなるか…?聡明であられる課長なら…わかりますよね…?」
ドサリと椅子に座り、余裕の表情で語る狩野。

