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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第42章 脅迫
光江が再び叫ぶ。そんな光江に狩野は言い含めるように言葉を吐く。

「価値はありますよ…?週刊誌に売れば、それなりにお金にはなるから…。」

「たかだか会社の部長の不倫写真なんて、どこの週刊誌だって買わないわよ!」

「いやいや…あなたの不倫写真とセットにすれば、売れますよ…。さらにお父様の横領も合わせたら…。一流企業の取締役が横領…。その娘はライバル会社と不倫。そして、その婿養子も不倫…。しかも…未成年と…。」

「なっ…!?何ですって…!?」

狩野が言った最後の言葉に耳を疑う光江。「未成年と不倫」そのワードに光江は衝撃を受ける。

「実は…この娘…俺の知り合いの妹でして…。まだ高校2年生なんですよ…。まあ、荒れた環境の家庭みたいで、この娘も遊びまくってるみたいですけど…。取締役の婿養子が未成年に手を出してるのは、週刊誌からすれば、格好のネタでしょうね〜。」

「あいつ…。なんてことを…。」

怒りに激しく歯軋りせんばかりに唇を噛む光江。それでもまだ狩野の話は終わらない。

「しかし…課長の家族はどうなってるんですかね…?ヤバすぎません?横領にダブル不倫。さらには未成年との不純性行為。」

「だっ…黙りなさいっ!」

顔を真っ赤にして怒りに震える光江。怒りのあまり言葉がそれ以上出て来ない。そんな光江を面白そうに眺めながら、狩野は言う。

「極めつけはこれですよ…。課長の娘さん…。可愛いですよね…?まさに箱入り娘って感じの清楚なお嬢さんだ…。」

狩野が再び携帯の画面をスライドさせると、制服姿の娘の写真が出る。

「その写真…どうやって…?」

直接会ったこともないはずの狩野が娘の写真を持っていることに不安な表情で光江が問う。これ以上、何を見せられるのか。

「どうやってかはさておき…。大事なのはこっち…。見た目は大人しそうな箱入り娘なのに…大胆に万引きする娘だとはびっくりですよ…。」

「なっ…!?な…なにを…言って…!?む…娘が…万引きっ!?ふ…ふざけ…ないでっ…!?」

「ありゃりゃ…。その様子だと、全くご存知なかったのかな?よ〜くご覧ください。バッチリ盗むところが写ってますよ?」

初めて光江の狼狽した様子を楽しげに見ながら、狩野は携帯を操作する。画面が動画再生に切り替わり、棚の間から、光江の娘の優子を映し出す。

どうやら場所はコンビニのようだ。
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