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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第15章 デリヘル
村山遙(むらやま はるか)21歳。香川の高校を卒業し、大学進学とともに上京するが、大学にはほぼ行かず、現在はデリヘルをして金を稼ぐ毎日だ。

高校の時は美人でスタイルもいいことで有名で、周りにチヤホヤされていたが、上京後は周りのレベルも高く、埋もれがちになると高価なブランドに手を出し、周りの注目を集めるようになる。

元来小心者だが、変にプライドが高く、自分が注目されないと気がすまない性格であった。女子優位の学校内でカーストトップにいた遙は男子生徒を虐めるくらいに傍若無人に振る舞ってきた。

大半が地元進学を選ぶ中、遙は親の反対も押し切り東京への進学を選ぶ。周りには『地元進学なんてダサいから』と言い切り、東京へ行く。時折、地元に帰っては男にプレゼントされたとブランド物を見せびらかしたりして、マウントを取っていたが、実はデリヘルで必死に金を稼ぐ日々を過ごしていたのだ。

そんなある日、指名が入り、指定されたマンションへ向かう遙。着いたのは都内でもそこそこ高級そうなマンションであった。

『ここに住んでる人ならけっこう金持ちよね…。写真で指名ってことだから、私がタイプなんだろうし…。頑張ってサービスしてあげようかしら…。次も指名してくれるように…。あぁ…。でも、キモい奴だったらさっさと終わらせたいし…。』

そんなことを考えながらインターフォンを押す。

「はい…。」

「あっ、すみません。お待たせいたしました~。」

「どうぞ…。」

ボソボソとした男の声がインターフォンから聞こえ、オートロックが開く。

『これはハズレかな…。なんか声がオタクっぽいな~。』

すでにやる気をなくした感じで指定された部屋まで行く遙。
部屋の前に着いて再びインターフォンを鳴らす。

ガチャっとドアが開き、メガネをかけたそこそこイケメンな細身の男性が顔を出す。

「はじめまして。京香です。入ってもいいですか?」

「どうぞ…。」

源氏名の京香を名乗り、挨拶する遙。お店の写真は大して加工してないので、チェンジされることはないと遙は踏んでいた。案の定スムーズに中に案内される。靴を脱ぎ、広めの廊下を通り、部屋に通される。

「へぇ~っ!お若いのにすごく良いところにお住まいですね。すご〜い!」

キャピキャピした雰囲気を出して話す遙。

「そんな気持ち悪い声出さなくてもいいですよ。遙さん。」
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