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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第19章 夏休み〜義姉〜
狩野知恵(かのう ちえ)25歳。
お盆休み前から知恵は夫、狩野拓也の実家で3週間過ごすことになった。夫の拓也が一ヶ月ほどの海外出張を命じられ、さらに拓也の母親が入院したこともあり、知恵は東京のマンションから福岡まで手伝いに来ることになったのだ。
拓也の父親はすでに亡くなり、足を骨折した姑のために病院通いを知恵はしていた。
その日、知恵は姑の病院へ寄った後に知り合いに合う予定にしていたが、残念ながら知り合いに急用ができたために、予定よりかなり早く夫の実家に戻ってきた。
昔から資産家だった夫の実家は大きい。預かった鍵で中に入り、リビングに行き荷物を置く。そこで知恵は物音に気づく。微かな声とギシギシと何かの音が聞こえてくる。

『孝宏君が帰ってるのかな…?』

知恵は二階に住む拓也の弟の孝宏の存在を思い浮かべる。孝宏は拓也と少し年の離れた弟で高校3年生になる。受験の年の夏休みではあるが、成績もよく、志望校もA判定が出てるからか毎日のように出かけて家にいないことが多い。
その方が知恵にとってはありがたいのだが。
知恵は孝宏が苦手だった。顔は拓也と似てなかなかのイケメンだが、真面目な拓也と違い、どこか軽薄さが目立つ。
そして何より知恵を義姉としてではなく、女性として見ている感があり、その視線はどこか厭らしいものに感じているからだ。拓也には相談できていないが、予想外に一つ屋根の下で暮らすことになり、知恵は不安を感じていた。

知恵は孝宏が帰ってきているのか確かめるため、階段を上がり、二階へ行く。泥棒の可能性もあるので忍び足で上がる。階段を上がりきったところで知恵の足が止まる。
予想外の声が聞こえてきたのだ。

「んはあぁっ…!孝宏君んっ…!すごいっ…!きもぢいいっ…!もっとしてぇっ…!」

ギシギシという音とともに女性の喘ぎ声が聞こえてきたのだ。一瞬で知恵は部屋の中で行われていることを悟る。今日は知恵が遅くなりそうだと孝宏には伝えていた。それをいいことに誰もいない家に女の子を連れ込んだのだろう。彼女はいないと言っていたが、成績も良く、イケメンとあってやはり彼女がいたのだと知恵は思う。そっと下へ降りようとした多恵の耳に女の子の喘ぎ声が届く。

「あはぁっっ…!孝宏君っ…!すごすぎぃっ…!もう3回目なのにぃっっ!こんなに硬ぁいっ…!もう何時間しちゃうのぉっ…!?んひぃっっ…!」
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