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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第23章 復讐
男はパソコンを開き、キーを叩くと、音声が流れ始める。


【理奈先輩。何年か前に痴漢でお金巻き上げたやついたじゃない…?あんなカモいないの?新作のバッグ買いたくてさ。】

【ああ、私と同じ会社の人だった奴?名前なんだっけ?まあ、いいや…。ああいう、小心者で大人しい奴いないのよね〜。】

狩野が探偵事務所で聞いたのと同じ音声が流れる。

「こ、これは…!?ど、どうやって…?あ、あなた達…。まさか…。あの人…狩野と知り合い…?」

「お名前、思い出してくれましたか…。狩野様とは知り合いというか、雇用主と言ったほうがいいですかね。私達は全て狩野様の指示に従ってるだけなので。」

「そんなっ…!?あっ、あれはっ!えいみがやったことでっ!わ、私は関係ない…。」

バンッ!!

「しらばっくれるんじゃねぇよっ!もう全部調べはついてるんだよっ!お前がストレス発散のために会社にあることないこと吹き込んだのはっ!」

男は、芹沢は机を激しく叩き、声を荒らげる。

「ち、違うの…。私はそんなつもりじゃ…。」

「いい加減にしろやっ!全部こっちはわかってるんだよ!お前のせいで人生ぶち壊された人がいるんだよっ!」

「し、知らないっ!私は関係ないっ!私は見たままを会社に言っただけよっ!」

「ここまで来ても反省も何も無しか…。おいっ!やれっ!」

芹沢が周りの男達に合図を送る。すると、周りで静かに座っていた男達が立ち上がり、理奈を囲む。

「なっ、なにをっ!?きゃっ!?や、やだっ!やめてっ!」

りなの座るソファの後ろに立った男二人が、理奈の腕を強引に掴む。理奈は驚き、抵抗しようとする。

「ぎゃんっ!?」

バチンッという音とともに理奈がうめき声を上げる。正面に立った男がりなの頬を叩いたのだ。

「これ以上、痛い目に遭いたくないなら、静かにしとけ。」

男が拳をゴキゴキ鳴らしながら、理奈を睨む。

「ひっ…!?わ、わかった…。わかったから…乱暴しないで…。」

頬がジンジンと痛み、理奈は涙を浮かべて、懇願する。一気に大人しくなった理奈の両手を後ろの二人が縄で後ろ手に縛りあげる。

ブルブルと震える理奈を囲む3人が合図を送る。すると座ったままの芹沢が声をあげる。

「準備が整いました。どうぞ、こちらへ…。」

それを合図にパーテーションの影から1人の男が出てくる。

「あ、あなたは…。」
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