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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第23章 復讐
しばらく待つと電車が到着する。並んでいた人達が流れ込む。えいみは上手くターゲットの男の前に立つことが出来た。幸先の良い流れにえいみは満足する。電車の扉の前に立ったえいみからはガラスに微かに写る男の姿が確認できる。

男は片手にビジネスバッグを持ち、片手で携帯を操作しているようだった。えいみ達の周りには夜の雰囲気を漂わせる女性や何の仕事をしているかわからない強面の男性などがいる。誰もえいみ達には注目していない。えいみからは見えないが、理奈もえいみの位置が確認できるところにいるだろう。

えいみが理奈にメッセージを送る。

【予定通り、ターゲットが降りる駅の手前でするわ。】

送った後にそのメッセージはすぐに消去する。理奈も同様のことをしているはずである。

電車が駅に停まり、再び動き出す。次がターゲットが降りる駅である。えいみがタイミングをはかっていると、お尻に何かの感触が来る。えいみはぞわりと総毛立つ。

『誰かにお尻触られてる…!?』

さわさわと手のひらか、手の甲がお尻を触る感触が確かにする。えいみは怒りに震える。
えいみは派手な格好や言動から誤解されがちだが、実は身持ちは固く、あまり男性経験がない。SEXもそんなに好きというわけでもない。なので、男選びには一生懸命だが、身体を許すことはほとんどして来なかった。周りの男を貢がせるだけ貢がせ、それで貢げなくなったら、ポイと捨てるのだ。将来、自分を遊ばせてくれる金持ちを捕まえて結婚しようと考えている。
そんな自分の身体を見知らぬ誰かが触るのは許せない。えいみは素早くお尻を触る手を捕まえ、叫ぶ。

「こっ、この人っ…痴漢ですっ!私のお尻触りましたっ!」

えいみは掴んだ手を高々と掲げる。えいみが振り向くとまさにターゲットにするはずの男性が慌てふためき、キョロキョロしている。えいみが掴まえた手には携帯が握られている。

「あなたっ!私のお尻を触ったでしょっ!警察に突きだすわよっ!覚悟しなさいっ!」

えいみが怒りで鋭く叫ぶと男は慌てて否定する。

「いや…。違います。自分は触ってなんか…。携帯見てだけで…。触ってない…です。」

男がしどろもどろになりながらも反論してくる。

「私の後ろにいたのはあなたよっ!あなたしか触れないじゃないっ!そうやって逃げようとしても無駄よ!一緒に来てもらうからっ!」

えいみは大声で叫ぶ。
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