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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第23章 復讐
「理奈…。拘束を解いて、服を着させてやれ…。こいつを連れて帰る。」

「わかりました。ご主人様。」

理奈は素直に応じ、えいみに歩み寄る。狩野は芹沢に向かって声をかける。

「これで全て終了だな…。長期間動いてくれて感謝する。復讐出来たのはあなた達のおかげだ。」

「いえいえ、私達もたっぷり稼がせてもらった上にいい思いもできました。では、データをお渡しして、家まで送らせます。少々お待ちください。」

芹沢が一旦、退室し、その間にえいみに服を着せる。全ての準備が整い、しばらく待っていると、USBを持った芹沢が戻ってくる。

「こちらに全てのデータが入っております。パソコンなどに入っていたデータは私が責任もって消させましたので。」

「ああ、すまないな。もう2度と会うことがないようにしたいものだ。」

「できればまた顧客としてお会いしたいですが…。狩野さんのように金払いがいい方は少ないので。しかし、まあ、お会いしないことが一番かもしれませんね…。」

「ああ、その通りだ…。では、もう行く。」

「失礼いたします。」

狩野は理奈とえいみを連れて用意された車に乗り込む。そして、家と到着する。

車を運転してきた芹沢の部下に見送られ、高級マンションへと入る。えいみはキョロキョロと周りを見渡す。すでに訪れたことのある理奈は狩野の横で寄り添う。

3人は無言で部屋に入る。


狩野はドカリとソファに座りタバコに火を点ける。もともと喫煙者ではなかったが、この3年間の間で時々、吸うようになった。深々と吸って紫煙を吐き出す。
理奈とえいみは静かにそばに立ち、控えている。

狩野の脳裏にこの3年間の絶望が蘇る。周りの人間は全ていなくなり、身内からすら見放された3年間。そして、たまたま買った宝くじで10億円当たり狂気乱舞した日。そして、復讐を決意し、大金を使って芹沢達を雇ったこと。それら全てが走馬灯のように脳内を駆け巡る。

その思いの全てを紫煙に乗せて吐き出す。狩野は震える指でタバコを灰皿に揉み消す。狩野が勢いよく立ち上がり、理奈とえいみに向き直る。

「さて…。待たせたな。今から正式にお前達二人は俺の奴隷となった。お前達の秘密は俺が全て握っている。裏切るなよ?」

「はい。もちろんです。全てをご主人様に捧げます。」

「わ、私も…ご主人様に従います。裏切りません。」

二人が答える。
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