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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第24章 百合散花
その共演の窓口になっているのが、美紀と同じ2年生の狩野孝宏である。細身の体型で優しい雰囲気。イケメンとまではいかないが、好青年の印象を受ける。

「狩野君…?どうしたの…?」

瑠衣との二人きりの時間を邪魔された美紀だが、相手が狩野ならば仕方ない。周りに厳しい美紀だが、狩野はテキパキと何でもこなすので美紀とも対等に話せる数少ない人間だ。

「コンサートのことでね…。ここなんだが…。」

二人はそのまま打ち合わせに入る。瑠衣が若干の嫉妬心から二人を睨むが美紀は気づいていなかった。

10分ほど打ち合わせをした狩野は部室を去り際に美紀と瑠衣に声をかける。

「高橋。ごめんな、練習の邪魔して。それから今週金曜日にギター部の歓迎会やるけど、二人とも来ないか?コンサートで共演するから桐谷は特に1年に紹介しておきたいし、1年に何人か高橋と同じ学部の女子が入ったから仲良くなるチャンスだと思うけど。」

「そう…。考えておくわ。返事は明日でいい?バイトのシフトも確認したいし。」

「構わないよ。じゃあ。」

狩野が去ると瑠衣が口を開く。

「狩野先輩ってしっかりされてますね。まだ2年生なのに…。」

「そう?あんなもんじゃない?」

瑠衣の言葉には美紀と対等に仲良く話す狩野への嫉妬心が含まれていたが、美紀はそれに気づかず流してしまう。その場は結局そのまま自主練は終了する。

そして、二人は金曜にギター部の歓迎会に出席することとなった。最初は美紀と瑠衣は隣同士で座り、周りの部員と歓談していたが、その内、美紀は邦楽部の部長として挨拶周りを余儀なくされる。若干、瑠衣が心配で後ろ髪引かれる思いだったが、仕方なく離れる。瑠衣はチビチビお酒を飲みながら周りの部員達となんとか話をしている。本来なら未成年の飲酒はご法度だが、誰も気にせず飲んでいる。瑠衣も飲めなくはないので、大丈夫だと美紀は自分に言い聞かせる。

歓迎会も終盤に差し掛かり、ようやく挨拶周りを終え、自分の席に戻る。しかし、そこに瑠衣の姿はなかった。

周りの人達に聞くと少し前から姿が見えないと言われる。トイレかと思い見に行くが、瑠衣の姿はない。美紀は慌てて電話するが出ない。外に出てみるがそこにもいない。仕方なく会場に戻り、狩野の姿を探す。しっかりした狩野なら全体を把握しているはずなので、瑠衣のこともわかるかもしれない。そう考えたのだ。
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