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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第24章 百合散花
美紀は会場を見渡すが、何故か狩野の姿も見当たらない。なんとも言えない不安に駆られる美紀。その時、電話の着信が入る。美紀が慌てて画面を見ると、狩野からの着信であった。急いで電話に出る。
[ 桐谷?今、大丈夫か?]
「狩野君!今どこにいるの!探してたのよ!?」
[ああ、用件はわかっている…。高橋のことだろ?」
「そ、そう!瑠衣の姿が見えなくて、勝手にいなくなる子じゃないし、酔っ払ってどこか行ったんじゃないかと心配で…。狩野君、何か知ってる?」
[実は…高橋は今、俺の部屋にいるんだ…。]
「はっ!?な、何を言って…。あなた…まさかっ!?」
[勘違いするなよ?いいか…?歓迎会の途中で高橋がフラフラ出ていくから、心配で声をかけたんだ。そしたら高橋が泣いてたんだよ…。]
「瑠衣が泣いてた…?」
[ああ…。理由はよくわからないが、泣いてるばかりでな…。1人になりたいって言うしで、困ってな。実は俺の住んでるところがすぐ近くだから、連れて来たんだ。今、部屋の中に1人でいる。だから桐谷に迎えに来てほしいんだ。]
「わ、わかったわ…。場所どこ…?」
美紀は狩野から場所を聞き、急いで荷物をまとめると、周りへの挨拶もそこそこに狩野が指定した場所に向かう。歩いても3分ほどで着く距離にあった。
大学生が住むには高級感があるマンションの前に狩野がポツリと立っている。
「お待たせ…。ここなの…?」
あまりの立派なマンションに美紀が思わず聞く。
「ああ、ここ。もともと親戚が買ったアパートなんだけど、海外勤務になって。だから4年間限定で住まわせてもらってる。それだけだよ…。」
狩野がオートロックを開け、エレベーターに乗り込みながら説明してくる。
「そうなんだ…。瑠衣の様子は?」
「けっこう酔っ払ってる感じだった。とりあえず水を渡して、すぐ部屋を出て、桐谷に電話したんだ。だから、その後の様子はわからない。」
「そうだったの…。ごめんね、迷惑かけて。ありがとう…。」
「気にするな。部屋に入って様子を確認したら、俺はすぐに会場に戻る。みんなに挨拶してから戻って来るから、それまでここに居てくれ。」
「わかったわ。それは大丈夫よ。」
狩野がエレベーターを下りて、角部屋に向かう。美紀もそれに続く。ガチャと鍵を開け、狩野が中に入る。
「お邪魔します…。」
[ 桐谷?今、大丈夫か?]
「狩野君!今どこにいるの!探してたのよ!?」
[ああ、用件はわかっている…。高橋のことだろ?」
「そ、そう!瑠衣の姿が見えなくて、勝手にいなくなる子じゃないし、酔っ払ってどこか行ったんじゃないかと心配で…。狩野君、何か知ってる?」
[実は…高橋は今、俺の部屋にいるんだ…。]
「はっ!?な、何を言って…。あなた…まさかっ!?」
[勘違いするなよ?いいか…?歓迎会の途中で高橋がフラフラ出ていくから、心配で声をかけたんだ。そしたら高橋が泣いてたんだよ…。]
「瑠衣が泣いてた…?」
[ああ…。理由はよくわからないが、泣いてるばかりでな…。1人になりたいって言うしで、困ってな。実は俺の住んでるところがすぐ近くだから、連れて来たんだ。今、部屋の中に1人でいる。だから桐谷に迎えに来てほしいんだ。]
「わ、わかったわ…。場所どこ…?」
美紀は狩野から場所を聞き、急いで荷物をまとめると、周りへの挨拶もそこそこに狩野が指定した場所に向かう。歩いても3分ほどで着く距離にあった。
大学生が住むには高級感があるマンションの前に狩野がポツリと立っている。
「お待たせ…。ここなの…?」
あまりの立派なマンションに美紀が思わず聞く。
「ああ、ここ。もともと親戚が買ったアパートなんだけど、海外勤務になって。だから4年間限定で住まわせてもらってる。それだけだよ…。」
狩野がオートロックを開け、エレベーターに乗り込みながら説明してくる。
「そうなんだ…。瑠衣の様子は?」
「けっこう酔っ払ってる感じだった。とりあえず水を渡して、すぐ部屋を出て、桐谷に電話したんだ。だから、その後の様子はわからない。」
「そうだったの…。ごめんね、迷惑かけて。ありがとう…。」
「気にするな。部屋に入って様子を確認したら、俺はすぐに会場に戻る。みんなに挨拶してから戻って来るから、それまでここに居てくれ。」
「わかったわ。それは大丈夫よ。」
狩野がエレベーターを下りて、角部屋に向かう。美紀もそれに続く。ガチャと鍵を開け、狩野が中に入る。
「お邪魔します…。」