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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第5章 宅配
「ただし、絶対に大声なんか出すなよ?大声出したらどうなるかわかるな?」

「んんっ〜。うんっ…。」

綾子が頷くのを見て、男が猿轡を外し始める。

「だっ、誰かっ!?きゃんっ!?」

男が猿轡を外すと同時に綾子は叫ぶが、男に頬を打たれる。さらに男は綾子の首を片手で締めながら、目の前でスタンガンのスイッチを入れる。綾子の目の前でバチバチと青い火花が飛び散る。

「あぁっ…。ご、ごめん…なさい…。もう…叫びませんから…。乱暴しないで…。」

綾子は恐怖に震え、それ以上、何もできなくなる。この男は本気だと覚り、絶望する。

「たくっ、最初から静かにしてれば痛い思いしないで済むと言ってただろう?余計な手間かけさせやがって。」

男が吐き捨てるように言う。男は綾子に目を光らせながら、綾子と一緒に運んできた荷物を開け始める。中からはビデオカメラや三脚、ノートパソコンなどが出てくる。

何やらセッティングをし始めた男に綾子は恐る恐る尋ねる。

「あっ、あのぉっ…。な、何が目的ですか…?お、お金ならそこの棚に財布が…。家に置いてあるお金は少ないです…。それで良ければ持って行っていいので…。このことは黙ってますから…。」

恐怖に震えながら綾子は男に提案する。男が強盗だと思い、素直にお金を渡し、逃げてもらったほうが安全だと考えたのだ。

「金か…。金も後でもらっていくが、俺の目的は金じゃないだよな~。」

男は手を止めずに言う。カメラを三脚に付けて辺りを見回し、リビングの中に置いていく。男は全部で3台のカメラをセットしていく。

「じゃあ、何が目的ですか…?主人がもうすぐ帰って来ます。そしたら大騒ぎになりますよ?それより早く逃げたほうがいいんじゃないですか…?」

男の目的がわからず恐怖に震えながらも綾子は必死に自らの安全のために男に逃亡を薦める。しかし…。

「おいおい…。嘘言っちゃいけないなぁ~。あんたのご主人は海外に出張中だろ?一週間は帰って来ないはずだぜ?」

「なっ!?なんでそんなこと…!?あなた何者…?」

男はビデオをセットするとスタンガン片手に綾子の目の前まで来る。

「俺の目的は金じゃなくて、あんただよ。奥さん。」

「わっ、私…!?あなたと会ったこともないのに、なんでっ…!?」

「たまたまあんたを近所で見かけてね。美味そうな身体してると思ってたんだよ。」
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