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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第25章 高飛車な人妻
狩野は敢えて事務的な口調で挨拶をする。

「なっ、何なのよっ!?あの写真っ!どうやってっ!?どういうつもりっ!?」

一方の奈巳がキンキンした声が受話器の部分から響いてくる。狩野は思わず耳から携帯を離す。

「鈴木様…。少し落ち着いてください。そのような大声で話す内容ではないと思いますし、周りに誰もいらっしゃらないですよね?」

狩野の冷静な反応と言葉に、携帯の向こうが急に静かになる。狩野は再び事務的な口調で話し始める。

「私も今、仕事が終わったばかりでして…。外にいますので、あまり大声で話されると、周りに聞こえてしまいます。もう少し落ち着かれてください。」

奈巳からの返事はないが、かなり苛立ちながら、これ以上叫ぶのは良くないと考え、黙り込んだようだ。

狩野はそんな奈巳に対して聞く。

「やはり落ち着いてお話したいのですが、いかがでしょうか?私は今日は仕事終わったので、いつでも大丈夫なんですが…。」

「……。い、今から…家に来てちょうだい…。」

「はぁ…。家に…ですか…?」

狩野は奈巳の思わぬ誘いに間抜けな声を出してしまう。狩野は奈巳を上手くホテルなどに誘い込むつもりだったのだが、家に呼ばれるとは…。

「しかし…、話の内容として、家にお伺いするのは…マズいのでは…?」

「だ、旦那は出張でいないから…。誰もいないところなら…家に来なさい…。」

狩野は奈巳の旦那がいないと言う言葉ににやりとする。奈巳の言い方は気に食わないが、いい情報を手に入れたと考える。

「わかりました。では、伺います。どちらに行けば?」

狩野は奈巳から住所を聞くと、すぐさまタクシーをつかまえ、向かう。車内で奈巳に対してどうしてやろうかと妄想しながら。

タクシーは高層マンションの前で止まる。

『ちっ!贅沢してやがるな…。』

高級感溢れる高層マンションに内心悪態をつく狩野。オートロックの番号は明らかに高層階の番号である。狩野は早速、番号を押して奈巳を呼び出す。

「はい…?」

「狩野ですが…。」

「入ってちょうだい…。」

奈巳から一言だけ反応があり、自動ドアが開く。狩野は中に入り、エレベーターでかなりの階層を上がっていく。これからのことを考えると、興奮してしまう狩野は平静を装うのに必死であり、特に下半身を鎮めるのに苦労する。なんとか落ち着きを取り戻し、扉の前に立つ。
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