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奸計〜罠に堕ちた女達〜
第25章 高飛車な人妻
狩野が部屋番号を確認し、高級そうな扉の前に立つ。インターフォンのボタンに手を伸ばしかけた時、ガチャッ扉が開くき、奈巳が顔を出す。キョロキョロと周りを見回し、狩野以外誰もいないことを確認すると、短く言う。

「入って…。」

狩野は無言でドアの隙間に体を入れ、中に入る。奈巳はスタスタと歩いて奥に向かう。狩野はついつい追いかけるように慌てて靴を脱ぎ、奈巳を追いかける。その行為を狩野は不意に苦々しく思う。

『これじゃあ、俺がこいつの部下みたいじゃないか…。見てろよ…。後で後悔させてやるからな…。』

狩野は暗い欲望を秘め、決意する。奈巳はそのままリビングに入り、大きな革張りのソファに腰を下ろす。

「で…?あの写真は何なの…?どこで手に入れたの…?」

「やれやれ…。鈴木様はせっかちですね…。一応私は招かれた客なんですが…。立ち話もなんですから、座っても?」

狩野はテーブルを挟んで奈巳の向かいのソファに視線を向ける。奈巳は心底嫌そうにしながらも言う。

「どうぞ…。」

狩野はドサリとソファに腰を下ろす。奈巳のほうを見ると短いスカートから伸びた長い脚を組む奈巳の姿がある。下着がぎりぎり見えないくらいの短さで、艷やかな肌の艶めかしい脚が狩野の目に飛び込んで来る。その魅力的な脚から強引に視線を引き剥がし、平静を装いながら狩野は言う。

「一応、客ですが、お茶くらい出してもらえないんですかね?」

「はぁっ?何言ってるの?あなたなんかに何で出さなきゃいけないのよ?それよりあなたが写真を出しなさいよ!データも全部っ!だいたいどうやってあれを…。」

「いやぁ…。たまたまこの前、歩いてたら目の前を鈴木様と男性が歩いてたので…。しかも、旦那さんじゃない人と…。」

「見てたのっ!?くっ…。」

「しかもお相手が斎藤社長とは…。旦那さんとも知己の関係の方とW不倫とはね〜。」

狩野はニヤニヤ笑いながら携帯を取り出し、奈巳に画面を見せつけるように動画を再生する。奈巳がラブホに入る様子が流れる。

「こっ…こんなものまで…。」

写真だけでなく動画の存在に顔を青くする。

「しかもこのラブホ…。SMやコスプレ衣装が揃う有名店じゃないですか…。そこに2時間以上も二人で何をしてたのやら…。」

「…!?そ、そんなことまで…。いったいあなた…。い、いくらっ!?いくら欲しいのよっ!」
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